メキシコ海域を調査する研究者チームが、放射線の影響を受けたタコの化け物と遭遇してしまう。50年代のクラシカルなスタイルを踏襲している、モンスター・ホラー映画。
監督・脚本を務めているのは、1954年度「大アマゾンの半魚人」の脚本家ハリー・エセックス。特殊メイクを務めているのは、後の大物リック・ベイカー。期待が高まる布陣だが、肝心の中身はキッチュなクラシカル路線に収まっている。
登場するモンスターは、タコの突然変異体という設定。なぜか足の数が減っており、普通に二足歩行するため、タコの中に入っている「魂」が見えてくる。ゴッドマンとクレクレタコラを足したような、膝カックンに見舞われること請け合い。
サーカスに売り飛ばして云々という話が出てくるが、残念ながら都会パートには突入せず。メキシコの山岳、砂漠地帯でチマチマとやるだけのドラマで終わってしまう。「70年代グラインドハウス」の空気感を得ながら鑑賞するスタイルが最良。