のほほんさん

ベルモンドの怪盗二十面相ののほほんさんのレビュー・感想・評価

ベルモンドの怪盗二十面相(1975年製作の映画)
-
ベルモンド傑作選第3弾にて。


そのタイトルの通り、ベルモンドがとにかく色んな変装を見せる。だが基本ユルい(笑)
外れかけの付け髭やパーティーグッズみたいな鼻メガネ、挙句は肩幅広すぎな女装まで。
相手を間違える致命的な失敗も、口八丁手八丁で強引にまとめ上げる楽しさ。


彼ら一味が暮らすのは野ざらしのオンボロトレーラーハウスで、妻に逃げられたりしてる彼らは言わば負け犬的な感じなのだけど、見たところそこに惨めさはなくて幸せで楽しそう。


マンガみたいな絵画盗みのドタバタはまさに古き良きスラップスティックという感じ。
行く先々で女性から愛され魅了するベルモンドが、最初は振り回していたのにしかしいつしか愛してしまったマリー・シャルロットにはその怪盗ぶりが発揮できなくて、気づいたら尻に敷かれているのがなんとも面白い。
この20も歳下のシャルロットのあっけらかんとした大物っぷりがまた楽しい。


終始ベルモンドが楽しんでる感じがひたすらに愉快で、ザ・娯楽とでも言うか。


もしフランスに行くことがあったら、私は凱旋門を見て女装したベルモンドを思い出すと思う(笑)