このレビューはネタバレを含みます
「未体験ゾーン」感がたっぷりな作品。
そんなに規模は大きくなくて派手さはないのだけど、見応えのある良作。
誰も知ってる人がいなかったなら益々その感が深まるが、本作に関してはなんとジョン·マルコビッチにフランク·グリロが出てきた！
IT分野で大成功を修め、会社を売り払い今は休業中の主人公。
成功の代償に妻から別れを告げられた。
そんな彼が暮らすのは丘の上の豪華ハウス。
セキュリティもスマホ1台で家全体を丸々制御できる。
彼はワインのコレクターでもある。
この主人公、特に憎たらしくない。上記の割には(笑)
スーパーで声をかけてきた美女と仲良くなり、そして事故で負傷したことから彼女を家に招き、さらには彼女に看護を任せる。
モデルだったという分かりやすいブロンド美女に声かけてこられたら、そりゃそうなりますよ。正直抗えないですよ。
しかし、マルコビッチがオーナーを務める彼女の下宿先での様子を見ている我々は、彼女の様子からは不穏さを禁じ得ない。
面白かったのは、恋人の同居人が死体で見つかった時の彼女の態度。
フライドチキンと同等以下に扱われる命。
それでいて、悪人に成りきれない彼女の姿も印象的。
特に本当の名前を告げるラストシーンなどは、悪いことをすることでしか生きていけなかった彼女の哀しみがある。
スマホで家中のカメラや照明を駆使して反撃するところは面白い。が、スマホ取られて監禁されてた訳だから、IT長者がスマホに命運握られてるというとんでもない皮肉でもある。
しかしまあ、マルコビッチの扱い…。
