ENDO

ザ・シャウト/さまよえる幻響のENDOのレビュー・感想・評価

4.0
シトロエン2CVが2つの事前/事後の時間軸を混乱させる冒頭!精神科病院で職員と患者による混合クリケットの試合。スコア係用の小屋で青年相手に長々と回想するベイツ。
イングランド南西部のデヴォン州ウェストリー(近くにある砂丘と宮崎にある『鬼の洗濯板』みたいな隆起波食台)の別荘でミュージック・コンクレート(蝿の飛翔音とかアルミ皿に水を垂らしてビー玉転がす音とか…)を作っているジョン・ハート。録音室には剥製とベーコンの絵。たまに教会のオルガンを弾いて質素ながら悠々自適に暮らしている(たまに浮気もしてる)。
いきなり教会の前で問答をふっかけてくるベイツは空腹アピール。気弱なハートは門戸を開いてしまう。その割には肉一枚と馬鈴薯一切れ。ジョン・ハムとホアキンを煮染めたような男性ホルモン溢れるベイツにヨークはメロメロ。アボリジニの呪術師に教わった哲学と黒魔術(というより男の魅力)で夫妻に混沌をもたらす。浜辺でベイツが叫んだ時に最も気になるのは奥歯の虫歯。有効範囲広すぎて羊飼いが犠牲に!耳栓していても砂丘から滑落するハート。ベイツはどんどん横柄になり、妻をNTRハートは意を決して反撃!呪術用の石を靴底で叩き壊すとベイツは弱体化、殺人の容疑で動いていた警察が突入しお縄に!収容されてのちクリケットの試合中に嵐がやって来て、スコア小屋に落雷!さらにベイツの叫びのせいで犠牲者が出る。ヨークはベイツを忘れられず、病院に駆けつけ、その遺体を哀しげに見つめるのであった。
余りにも突拍子もないので取り留めない気持ちになっていると、犬が牛乳こぼしたり、壁から額が落ちたり、事故的に撮られた場面が挿入されることでハッとさせられ画面に引き戻される演出。痺れます。
ENDO

ENDO