夫の不倫によって揺れ動く幸せな家族の行く末を、邦題が哀れと感じてしまうくらい上品に描かれた作品。
歳の離れた恋人を持つ友人との食事会で、全くと言っていいほど妻にピントを合わすことのないカット。
自宅のソファーで妻に求められマッサージをする際も、そこに彼女の顔はなく足下のみが映しだされる。
こういう風に主人公の心の移ろいやその度合いを、何気ない日常生活の中に差し込まれる映像の変化で推し量ることが出来るように作られている。
以下ネタバレ
義祖父母や娘に気づかれないよう平静さを装いながら聖夜を祝う妻と、ツリーの傍らで、彼女に贈られようと待ち構える義祖父母からのプレゼントがより一層切なさを誘う巧妙なエンディング。
でも不倫は肯定しない