coroさんの映画レビュー・感想・評価

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映画(457)
ドラマ(0)

ライク・ア・キラー 妻を殺したかった男(2016年製作の映画)

3.0

妻を殺した男と殺さなかった男の虚妄と現実の境界線。(暗黒街のふたりのミシェル・ブーケを思い起こさせる)人権を無視して乱暴な捜査を繰り返す刑事。
彼らの余りにも不自然な行動にプレイン・ソレイユもきっと泣
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ラッキー(2017年製作の映画)

3.7

オープニングに登場する、痩せ細って落ちくぼんだ眼窩がまるでゾンビのような男が、ハリー・ディーン・スタントンだと気づくまで少々時間を要した。
毎朝決まった時間に目覚め、いつも通りの一日を過ごす。まるで、
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三尺魂(2017年製作の映画)

-

SNSで知り合った4人の男女が自殺をするため山小屋へと集まってくる。4人だけで行われるワンシチュエーションの舞台劇。
爆発する花火とタイムループする魂。

「十二人の優しい日本人」や「ふくろう」など、
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ラビング 愛という名前のふたり(2016年製作の映画)

3.5

寡黙な左官職人(白人)リチャードとアフリカ系女性のミルドレッド。彼女から妊娠を告げられたリチャードは結婚を申し込む。だが当時(1958年)のバージニア州では異人種間の結婚は禁じられていたためワシントン>>続きを読む

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

3.3

舞台はデトロイト。空き家だらけが立ち並ぶ住宅街。ひとりの男が死体らしきものを引きずりながら歩いている悪夢のようなオープニングの俯瞰ショット。どうして俯瞰なのかは後々分かる。

幼少期にネグレクトされた
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17歳のエンディングノート(2012年製作の映画)

3.8

4年前に白血病を発症し未だ闘病中の女の子。今この瞬間動いているものすべてが煌めいているかのように、車窓を流れる景色を目映ゆそうに見つめている。
でも、それらがもうこの手には届きそうもないと少女のいたい
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暗黒女子(2017年製作の映画)

2.7

舞台はお嬢様ばかりが通うミッション系の女子高。全校生徒の憧れの存在である文学サークルの会長が謎の死を遂げる。
残されたサークルのメンバーたちは闇鍋を囲み、各々の思い描く犯人像を小説という形を取りながら
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シュガー・ラッシュ(2012年製作の映画)

3.5

"フィックス・イット・フェリックス"というゲームの中で30年間も悪役を演じ続けてきた悩めるラルフが主人公。ヒーローになりたいと、自分の住んでいるゲームの世界を飛び出し、すべてがお菓子で構成されたゲーム>>続きを読む

天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

野田市女子高生連続殺傷事件。
発生から15年。未だ手がかりなし。

2回続けて見て、次の日にまた見た

内容はまったく違うのに「天国からはじまる物語」という小説が頭に浮かんできた。
人は死後あの世へと
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P2(2007年製作の映画)

2.8

イブの夜だというのに仕事に追われ、オフィスにひとり取り残された女性。仕事を終え帰路に着こうとするが不運が重なり地下駐車場に閉じ込められてしまう。助けを求めようにも電波は届かない。暗がりの中、唯一明かり>>続きを読む

草原の実験(2014年製作の映画)

3.9

道なき道を駆け抜け家路を急ぐひとりの男。どこまでも広がる大平原にぽつりと佇む藁ぶき屋根の小さな家。風にたゆたうカーテンの隙間からおさげ髪の少女が顔をのぞかせる。何の会話がなくても分かり合えるふたりだけ>>続きを読む

人喰猪、公民館襲撃す!(2009年製作の映画)

2.7

グエムルを踏襲しながらも、ある意味対極に位置する作品。
タイトルほどのB級感もなく、シリアスとコミカルが居心地悪そうに同居している。

夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

3.7

みんな誰かの愛しい人

振り向いてはくれない運命の人を皆が追いかけて一晩でいくつもの季節を巡る。エッシャーのだまし絵のような不思議な夜の物語。
日常を描いているのに非日常的な独特な世界観と神々の逆鱗に
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何も心配ない(2015年製作の映画)

3.5

父と娘ふたりきりですごす和やかなで楽しいひととき。徐々に感じる違和感…
何も心配ないと言いながら、始まりから終わりまで心配だらけ。この後がもっと心配

地下に潜む怪人(2014年製作の映画)

2.9

邦題が酷い。でも、それに惹かれた…

パリの美しい石畳の地下には600万人以上もの遺骨が埋まっている。その世界最大級の地下納骨堂カタコンべが舞台。そこに隠されているという賢者の石を求め暗躍するのは現存
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.7

1985年夏。妖艶なディートリッヒや愛くるしいトムとジェリーに見送られながら家をあとにするフレディ・マーキュリー。乗り込む車はもちろんロールスロイス。涼風を浴びて今にも羽ばたきそうなエンブレムのフライ>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

3.6

不死鳥の騎士団辺りからダークな要素の際立ってきたハリーポッターシリーズに比べるとやや急ぎ足の展開。魔法動物たちを巡る、めくるめく世界に心を奪われた前作に比べると物語を包む空気は重く、重厚な大人向けのフ>>続きを読む

ANTIPORNO アンチポルノ(2016年製作の映画)

2.5

ふたりが織りなす狂気と官能は、蜷川実花が描く極彩色に闇を足したような世界。罵倒しながら従順に従い、サディスティックな要求をしながらマゾヒスティックな背景を自身が彩る。
妄想と現実の入り交じった無秩序な
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フランコフォニア ルーヴルの記憶(2015年製作の映画)

3.5

ナポレオンによる数々の戦いとフランス革命の理念から生まれたルーヴル。いずれ自由、平等、博愛を求める市民の重要な憩いの場所となっていくルーヴルの姿をルーヴルとともに見つめていく。

1940年の夏
無防
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マザーズ・デイ(2016年製作の映画)

3.0

様々な事情を抱えた4組の悩める家族。4つの異なる物語がささやかにリンクしながらそれぞれのマザーズ・デイを迎えるまでを描いたラブコメ群像劇。

4つのハッピーエンドとクラシカルなNG集が予定調和を裏切る
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手紙は憶えている(2015年製作の映画)

3.7

認知症を患い高齢者施設で暮らしている主人公(セヴ)。最愛の妻を3日前に亡くしてしまったのに、そのことすら覚えていられない。妻亡き後に決行すると誓っていたことを親友のマックスが書き留めておき、その手紙を>>続きを読む

あの頃エッフェル塔の下で(2015年製作の映画)

3.7

あなたをすぐに忘れられる魔法をかけて

長い外国生活を終え帰国した主人公(ポール)は、ある容疑をかけられ過去への遡行を余儀なくされる。そこから彼の遠い記憶を回帰する旅が始まる。(ここまで語られる非日常
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劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス(2014年製作の映画)

3.2

どの画を切り取ってもお洒落でシックなティーカップやソーサーが出来そうな、優しく霞んだ色合いが美しい
けれど、
南国でのバカンスとはいえ、あまりにも俗っぽく染まるスノークのお嬢さんや、(ミーは例外として
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父 パードレ・パドローネ(1977年製作の映画)

3.4

再視聴

父親に支配され、幼い頃から羊と共に山小屋で独り暮らす主人公(カヴィーノ)。義務教育さえ受けさせてもらえずに育った(故に文盲)彼が、父の手から逃れ言語学者となり再びこの地へ戻ってくるまでの物語
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地球の静止する日(1951年製作の映画)

-

地球の未来を危惧する異星人と無知な人類とのコンタクトを描くSF映画の古典。
重要な役割を担うロボットなどはさすがに拙いけれど、軍も武器も持たずに暴力や戦争を回避できれば… と語る、シンプルながらも核心
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ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女(2014年製作の映画)

4.0

(主人公の青年)
愛車のクラシックカーも含めて、その装いや風貌からジェームズディーンを彷彿とさせる主人公。父親に縛られギルバートグレイプのように人生を半分あきらめかけている。
(もうひとりの主人公)
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ハロルドが笑う その日まで(2014年製作の映画)

3.2

長年夫婦で営んできた家具店。その隣にIKEAができたことで店は廃業に追いやられてしまう。店を失い妻も喪い自暴自棄となった主人公はIKEAの創業者カンプラード(実名)を誘拐すべくスウェーデンへと向かう。>>続きを読む

早熟のアイオワ(2008年製作の映画)

3.4

暴力的な牧師を父に持ち、麻薬に溺れ14歳の少女を早く売春させようと目論む自堕落な母の元で暮らす3人姉妹。
昔はまともな家庭だったようだが、神は彼女たちを見捨て、彼女たちも神を捨てた。
こんな悲惨な環境
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アイスと雨音(2017年製作の映画)

3.6

冒頭の違和感。でもこの作品の主軸となるのは活動弁士のような役割を担う歌い手との虚実のあわい。彼らの吐き出す凝縮されたメッセージと、その言葉をそのまま呑み込んでしまうような台詞まわしに絡まれて一切虚飾の>>続きを読む

特捜部Q Pからのメッセージ(2016年製作の映画)

3.7

どこまでもまっすぐに続く地平線。その足元を咲き乱れる菜の花畑は魔法にでもかけられたかのように美しい。その明媚な美しさを塗り潰そうと背後にそびえる沈鬱な曇り空がこれから始まる物語の行方を予感させる。>>続きを読む

永遠の0(2013年製作の映画)

-

原作を初めて手にしたとき、浅田次郎の壬生義士伝にあまりに酷似していることや若干弱さを感じる文筆力に(ファンの方ごめんなさい)ひと粒の涙さえ浮かばなかった。そんな理由から今まで敬遠していた作品。

それ
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壬生義士伝(2002年製作の映画)

3.3

原作既読。随分遠い日のこと
涙なしには読めない
浅田次郎の中でも特に好きな作品。

家族を養うために脱藩し新撰組と共にこの時代を生き抜いた主人公(吉村貫一郎)の生き様を通して見えてくる幕末の別の視点。
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

3.9

現実味のないオープニンググレジットと夢の国以外は無音の世界。
そんな世界の片隅で、教育も躾も未来も煌めく世界も知らずに毎日を綱渡りするように生きている親子。
帰る当てのない主人を待つ家々や、古からこの
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ゾンビランド(2009年製作の映画)

-

テキサスの寂れた街が舞台。汚染バーガーに毒されてから2ヶ月、町で人を食さない変態はもう4人とあとほんの少しばかり。神経質で腸が弱くそれ故に生き残っているコロンバスと、駄菓子(トゥインキー)を求めて止ま>>続きを読む

霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

4.5

随分昔に、その頃すでにブームとなっていたチェコアニメや、ノルシュテインも含め東欧アニメを見漁っていた頃に出会った大好きな作品。

絵本のほうは何度も読んでいて、このアニメに出会ったときには心がときめい
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FLIRT/フラート(1995年製作の映画)

3.3

反復される展開が余りにも直線的すぎて、たとえどんなに視点を変えてみようと、少しずつ募っていく想いも、積もっていく愛も、ましてやこの作品の意図する前衛的なものも、少しずつそこから零れ落ちてしまう。

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