coroさんの映画レビュー・感想・評価

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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

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徹底して戦争という名の暴力を撮り続けた黒木和雄監督の戦争レクイエム3部作を、改めてアニメーションで見ているかのよう。
主人公は想像力豊かで絵を描くことが好きな女の子。ありふれた景色も彼女の手にかかれば
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ヒトラー最後の代理人(2016年製作の映画)

2.5

アウシュビッツ強制収容所で最も長く指揮官を務めたルドルフ・ヘスの苦悩や自己弁護を只々聞き入る。

大量虐殺に至るまでの経緯や心中を、まるで他人事のように淡々と語るルドルフ・ヘス。彼を責め立てることもな
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愛の犯罪者/ラヴ・イズ・パーフェクト・クライム(2013年製作の映画)

3.7

主人公は大学教授のマルク。人里離れた雪深い山荘で妹のマリアンヌとふたりで暮らしている。巧みな言葉で女性を誘惑しては数々の浮名を流す、そんな自堕落な日々の最中彼と一夜を過ごした女学生が忽然と姿を消す。>>続きを読む

その夜の侍(2012年製作の映画)

3.0

転がる鯖の味噌煮を見つめる
モラルに欠けた眼差しも、
見て見ぬ振りも、

消えてしまえばいい

そんな簡単なことじゃないってことは
分かってるけれど
賞味期限の過ぎたプリンも、
すれ違うばかりの心に沁
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

4.1

過去鑑賞記録 (ミッシェル・ゴンドリーつながりで)

何度も観ている大好きな作品。
女性たちがもっと美しければなんて、たまに思ったりもするけれど(許して)、ケイト・ウィンスレットの出演する恋愛映画は結
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グッバイ、サマー(2015年製作の映画)

3.7

行き方も、生き方も、自由

主人公は14歳の少年ダニエル。女の子のような顔立ちをしているせいか男の子と遊ぶよりも女の子と一緒に過ごすことの方が多い。繊細で感受性のつよい彼は、仕事に追われ近頃不仲な両親
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スケア・キャンペーン(2016年製作の映画)

3.0

どこまでが真実で、どこからがフェイクなのか分からないと謳っているのに、このジャケット。
初回のフェイクまでは良質なのに、重ねれば重ねるほど浅くなっていく。

岸辺の旅(2015年製作の映画)

3.3

此岸を遠く離れ、生や死は人間の意識が作りだした不確かな幻影だとでも言うように、彼岸からこの世界を見つめ直す主人公。
妻に逢いに行くのに3年もかけながら、そこから少しずつ離れていく遡行の旅は切ない。浮遊
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.7

荒野の用心棒の残り香を漂わせている、ファンタスティック都市鉱山。

オープニングクレジットに名を連ねる声優陣。もうそれだけで充分に面白そうな予感

独特な世界観で日本の伝統文化をポップカルチャー化させ
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溺れるナイフ(2016年製作の映画)

2.8

海での出会いも、小川での戯れも、森での追いかけっこも、火祭りのアバターも、赤い椿も、すべて
レンズの向こうで奏でられる絵空事

主役のふたりはいいのに、残念

この愛のために撃て(2010年製作の映画)

3.5

「すべて彼女のために/ラスト3デイズ」のフレッド・カヴァイエ監督作品。
前作とまったく同じシチュエーションなのに、また楽しめる。
今回の許された時間は、たったの3時間。

妊娠中なのに
もう一回
あと
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ポゼッション(2012年製作の映画)

3.5

異様な気配を漂わせている古めかしい木箱。その外観に触れただけでマルシャンの箱のように虜になってしまい、また触れてみたくなる。

ホラーとしては有り触れた題材を、家族の苦悩や、綻んではまた結われていく愛
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.8

知人に早くから勧められていた作品。
地方にたどり着くまでにひと騒動あったけれど、何とか無事に到着。
なのに、ただ純粋に楽しめる映画愛に満ちたチープな作りのB級映画ってこと以外は何ひとつ語れない。それほ
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.4

原作既読。

7人の少年少女で結成されたルーザーズ・クラブ。彼らを含めて狙われるのは、家庭に何がしらかの問題を抱えている子供たちばかり。彼らの抱えたトラウマが仄暗い水の底(同名映画の赤と黄色が一緒)に
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犬猿(2017年製作の映画)

-

彼らを見ているのが辛くて、笑いどころを見出せないまま赤く染まっていくのを待っていた。

天使の運転する白い車に乗り込んだときの赤が透明に変わっていく瞬間の涙が美しい

素晴らしき戦争(1969年製作の映画)

3.3

全篇、資本家や支配層を揶揄(もちろん戦争批判)する辛辣な歌詞に包まれたシュールなミュージカル。所々に挿入されるリアルと、死を暗示する赤い芥子の花が印象的。

最前線で磔にされるのを待つ息子たち
それで
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名もなき復讐(2015年製作の映画)

3.4

一瞬で、両親も、声も、未来までも失いなってしまう主人公(ジウン)。彼女の運命を取り巻いているのは無神経で粗野でモラルの欠けらも持ち合わせていない、救いようのない人たちばかり。
ジウンにとって唯一の親友
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真白の恋(2015年製作の映画)

3.8

どこか雪深い国の民族衣装にも似た、色とりどりに彩られた衣装を纏い、薔薇の花びらでも浮かべたような赤い帽子と赤い自転車のよく似合う、水のように透明で、雪のように無垢な、ごく軽度の知的障がいのある(そう言>>続きを読む

ハローグッバイ(2016年製作の映画)

-

裕福で優等生なのに何処にも居場所のないアオイと、明るくて本能のままに生きていそうなハヅキ。
青春の隙間から入り込む生温い風も、とある" きっかけ " をもとに接近していくふたりの関係性が密に近づくにつ
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マドモアゼル(1966年製作の映画)

3.5

不安から発生する群集心理や同調圧力の怖さを魔女狩りになぞらえて描かれた物語。

舞台はフランス中部の小さな村。この村では最近、不審な出来事が相次いで起きている。犯人は村人からマドモアゼルと慕われている
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ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

3.8

お気に入りのユーザーさんが書かれていたように、ロッククライミングのシーンは2だったかな? 運命の人は3だったかな? なんて思いに浸りながらの降下。

いつものように秘密裏に対策を練りながらも必ず正面突
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レイルウェイ 運命の旅路(2013年製作の映画)

3.2

列車で国中を周りあらゆるものを集めている主人公(エリック)と妻との、ラブストーリーのように素敵な出会いから物語は始まる。
やがて妻は幸せの裏側に隠されている、夫の心の奥底に潜んだ傷跡をみつける。触れて
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帝一の國(2017年製作の映画)

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青春漫画の装いそのままに、独自の極端な世界観で高速に紡がれていく。
ある種の爽快感を感じることは出来るけれど、何だかそれがちっぽけなものに見えてしまった。
と思っていると、ちょっとした感動が押し寄せて
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恋は緑の風の中(1974年製作の映画)

2.8

心地いい緑の風に運ばれてくる
甘酸っぱくて未熟な果実の香り
芽生え始めた季節の
拙さや滑稽さが懐かしくて
不思議な味が舌先に残る

フォーク世代のアリスが爪弾く
" 黒い瞳の少女 "が印象的

デトロイト(2017年製作の映画)

3.8

黒人を虐げ続けてきた歴史が紐解かれていくように映し出されるプロローグ。
これから始まる暴動(抵抗)も、長らく沈黙していたものがその口をちょっと開いただけなのに、と呟いているよう

廃墟と化した街をゆっ
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アナベル 死霊人形の誕生(2017年製作の映画)

3.3

実在する呪いの人形アナベルの誕生を、ジェイコブズの「猿の手」やウェストールの「かかし」など、ホラーの古典と言われる作品にオマージュを捧げながら、その時代に共に存在していたんじゃないかと思わせるような古>>続きを読む

父の初七日(2009年製作の映画)

3.8

突然訪れた父親の葬儀のために帰省する主人公。主人公とその家族が父を送り出す日までの7日間を、家族の悼みに寄り添いそっと優しく見守るように描かれている。

故人を送り届けるために行われる(仏教に対する観
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サボタージュ(1936年製作の映画)

3.0

あらゆる所に散りばめられた鳥たちが不穏の象徴。
無垢な少年を乗せたバスが不穏を抱えて走り出す。
慌ただしくうごめく人々や、それに急かされるように進んでいく時間とは対照的に、ゆっくりと目的地へ向かうバス
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暗殺(2015年製作の映画)

3.3

日本による朝鮮半島支配下時代。歴史に翻弄されるレジスタンスたちの姿も、日本人役の拙い日本語も切ない。

オ・ダルスの起用からも伺えるように、エンターテイメントとしてのオブラートに一応包まれてはいるが、
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偉大なるマルグリット(2015年製作の映画)

3.4

純粋なまでに音楽への憧れを持つ淑女マルグリット。呆れるほどの音痴なのに人前で歌うことに生きがいを感じている。でも、そんなところが何だか可愛い主人公。

純粋な裸の王様と、その糸の先にある誠実な黒い手が
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ゆれる人魚(2015年製作の映画)

3.6

実体はひとりかもなんて思ったりもする純粋で妖艶で瑞々しくて残酷なふたりの人魚が主人公。
天使や悪魔も不思議な装いで登場してきて、今までに見たことのない人魚姫をみせてくれる。
シリアスな社会派作品の多い
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美女と液体人間(1958年製作の映画)

3.0

歴史から学ぶということをしないオープニングのキノコ雲。

強く吹き荒れる雨の夜、ひとりの男が、身に着けていたもの全てをその場に残し、雨とともに消え去ってしまう。
行き着く先はタイトルで既に暗示されてい
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ガス人間第1号(1960年製作の映画)

3.0

古き良き時代だからこそ許せる都合のいい展開。警察も記者も緩くて何だかほのぼのとしている。

現在(いま)から見ればおもちゃ箱のように見える実験装置も、SF的な要素を除けば純文学ともいえるこの作品につけ
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帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

3.4

嘘を大声で、充分に時間を費やして語れば、人はそれを信じるようになる。なんて言っていたヒトラーがこの世に蘇り、軟弱な政治家たちを揶揄しつつドイツの抱える様々な問題を切っていく。コメディアンという毛皮を纏>>続きを読む

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