80歳の状態で生まれ、歳を取るごとに若返っていく男、ベンジャミン・バトン。
彼が生まれてから死ぬまでの人生を描いた作品。
面白かったけど、『セブン』にしろ『ゾディアック』にしろこの作品にしろ、デヴィッド・フィンチャー監督の作品は、やたら長い!
長いからこその重厚感とか余韻みたいなものは確かにあるんだけど、最後まで観るのに気合いが必要なのが難点。笑
設定が割と荒唐無稽なのにも関わらず、心を動かすようなリアリティのある物語になっていたのは凄い。
前に観た『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』を少し思い出す設定だったけど、そちらは設定のアラが割と気になってしまった記憶がある。
この作品の主人公はベンジャミンだけど、語り手というかその人生を綴った日記を読み振り返るのは、彼を看取ったデイジーとその娘キャロライン。
私は、この作品をベンジャミンの人生の物語というよりはベンジャミンとデイジーの出会いと別れの物語というように感じながら観ていた。
ベンジャミンとデイジーは間違いなく運命の相手同士だったと思うけど、お互いに自分の弱いところや弱っていくところを見せられない性格だったのが切ない終わり方に繋がってしまったのかな、と思ったりした。
人生の最期に後悔しないためには、意地を張ったりするより素直になることが大事なんだろうな、多分。
なんだかそんな学びを得られた作品だった。
【2019.09.16.字幕鑑賞】
【2019.10.07.レビュー編集】