名作「マイ・フェア・レディ」の原作である戯曲を映画化した作品。
笑えるけど、歌がないのはちょっと寂しかった。
ヒギンズ教授と言えばレックス・ハリソンだが、こちらのレスリー・ハワードも悪くない。「痴人の愛」や「風と共に去りぬ」の細いイメージがあったが、高慢でガサツな演技もなかなか良かった。
しかし、いくら何でも女性を “腐ったキャベツ” 扱いは酷い。笑
イライザの父親のわけわかんない理屈は理解できないし、描かれる社会全体が女性の役割を狭めている感はあるけど、そのあたりをひっくるめて「マイ・フェア・レディ」は忠実に引き継いでいるんだなーと感じた。
ここで描かれているのは、普遍的な人間の尊厳、そして心の変化を作り出す2人の関係だろう。
変わるのはイライザだけじゃない。悪態をつき、女性を軽んじ、人と深くかかわらないヒギンズの変化こそが最大の見どころだ。
後半はグチグチと同じような口喧嘩が続いてイライラするんだけど、そのぶつかり合いの中にこそ彼の目覚めへの導線があるってところが上手い。
