ナツミオ

マルサの女のナツミオのレビュー・感想・評価

マルサの女(1987年製作の映画)
4.0
NHK-BS 衛生映画劇場
かなり前の録画DVDより
(録画日2007/12/25)

”金持ちは、溢れるコップから
 垂れる雫を舐めるんだ“

 〜権藤英樹が語る金持ちになる秘訣

過去鑑賞も未レビュー、再鑑賞。
10数年振り。
やっぱり面白い作品。

受賞歴
・第61回キネマ旬報ベスト・テン日本映画監督、脚本・主演女優・助演男優賞受賞。
日本映画ベスト・テン1位
読者選出日本映画ベスト・テン3位
・第11回日本アカデミー賞
最優秀作品・最優秀監督・最優秀脚本・最優秀主演男優・最優秀主演女優・最優秀助演男優・最優秀編集・優秀美術・優秀照明・最優秀音楽・優秀撮影賞受賞
・他多数の映画賞受賞。

英題 『A Taxing Woman』

1987年日本作品
監督・脚本・原作 伊丹十三
撮影 前田米造
音楽 本多俊之
出演 宮本信子 山崎努 津川雅彦 大地康雄 桜金造 橋爪功 佐藤B作 室田日出男 マッハ文朱 志水季里子 杉山とく子 伊東四朗 大滝秀治 芦田伸介 小林桂樹 小沢栄太郎 岡田茉莉子

(NHK番組内容より)
税務署のやり手署員の亮子は、脱税の摘発に意欲を燃やしていたが、捜査権限がなく、なにかと歯がゆい思いをしていた。
そんな中、彼女に国税局査察部、略して“マルサ”への転属命令が。晴れて強制調査権を持つ「マルサの女」となった亮子は、鋭い感性で証拠を見つけ出していく……。
脱税犯の思いもしない証拠隠しと、それを見つけだす査察官。その攻防を、ユーモアを交えてスピーディーかつ緊張感あふれる展開で見せる。


こちらも、数日前からこのテーマ曲が脳内再生。このテーマ曲はクセ強、いつまでも耳から離れない⁈

脱税者とそれを暴く査察官(マルサ)たちのチェースが生々しい人間ドラマの名作♪♪♪
伊丹十三作品で初めて観たのは本作か『タンポポ』のどちらか⁇
本作ヒットの後、”◯◯の女“シリーズが流行りました〜♪

冒頭から、かなりエロい描写⁈
バブル期の狂騒は知らない世代の方には新鮮に映るかも⁇⁇

なんといっても、
主人公、板倉亮子を演じるのは、当時の監督夫人、宮本信子。
綺麗な方なのに、個性的なメイクとキャラクターが楽しい♪♪♪

そして、脱税者のメインキャラ、権藤英樹を演じる、山﨑努が圧倒的とも言える存在感。決して、トコトン悪では無く、最愛の息子にいかにして財産を残すか腐心する実業家。

彼の行動やセリフがまた印象的。
冒頭のセリフは、マルサのガサ入れじ、査察統括官、花村(津川雅彦)へ語る“金持ちの哲学”とも言える名言⁇

このセリフは観た当時強烈な印象で覚えていた。
権藤が、亮子へのセリフと記憶していたが、記憶違い…

生々しい描写が多く、エロい描写もあるが、意外に爽やかな後味。
やっぱり今観ても楽しめた名作♪♪♪

旧スコア4.0 より変わらず。


↓ 以下ネタバレあり

【忘備録】
(登場人物・キャスト)
Wikipediaより

・板倉亮子
演 - 宮本信子
港町税務署員からマルサに異動。
仕事一筋でプロ意識が強く、激務である東京国税局査察部査察官への異動辞令(「税務職員」から本省の「国税専門官」へ栄転)をもらって狂喜乱舞する。
「ダイちゃん」という5歳の息子をもつシングルマザー。
トレードマークはおかっぱ頭に寝癖、そばかす。愛車はスズキ・マイティボーイ。

・権藤英樹
演 - 山﨑努
裏社会や政界と付き合いのあるラブホテルの経営者。
歩行が不自由であり、普段は杖をついて歩いている。巨額の脱税をしている。
金儲けに執着する一方で、その財産を息子に残すことを夢見る良き父親であり、亮子と同様、人間味のある人物として描かれている。亮子とは敵対する立場にあるものの奇妙な友情が芽生える。

・花村
演 - 津川雅彦
マルサにおける亮子の直属の上司。熱血漢。国税局査察部統括官。

・伊集院
演 - 大地康雄
マルサにおける亮子の同僚。
その容貌から「マルサのジャック・ニコルソン」‼️の異名を取る。

・金子
演 - 桜金造
マルサにおける亮子の同僚。
ホームレスになりきって、権藤のラブホテルの前で張り込み中に、警視庁の警察官に職務質問され、不審者として警察署に連行される。笑

・姫田
演 - 麻生肇
マルサにおける亮子の同僚。
ガサ入れの際に権藤の取引先の銀行に乗り込む。

・剣持和江
演 - 志水季里子
権藤の特殊関係人(愛人)。
権藤に捨てられた事を根に持ち、マルサへ権藤の脱税を公衆電話から密告する。

・鳥飼久美
演 - 松居一代
権藤の新しい特殊関係人(愛人)。
権藤の脱税の片棒を担ぐ。

・石井重吉
演 - 室田日出男
権藤が経営するラブホテルの社長。
権藤のブレーン。

・宝くじの男
演 - ギリヤーク尼ヶ崎(声:加藤精三)
資金洗浄屋。
宝くじの当選金は非課税なので「脱税に使える」と持ち掛ける。

・食料品店の夫婦
演 - 柳谷寛、杉山とく子
亮子に申告漏れを指摘され妻が逆上し、夫はそれをなだめる。

・リネンサービス社長
演 - 佐藤B作
権藤のラブホテルにリネン類を卸している。取引先として亮子の調査を受ける。

・特殊関係人
演 - 絵沢萠子
亮子が査察官として初めて臨んだ調査対象者の愛人。
全裸になり、「女はここに隠すんだ!」
は強烈‼️

・権藤太郎
演 - 山下大介
権藤の一人息子。
父とは正反対のおとなしい性格だったが、徐々に反抗的になる。しかし、内心では父を心配する。学校で会社を作っている。

・大谷銀行営業課長 染谷
演 - 橋爪功
権藤の取引先の銀行員。

・パチンコ店の社長
演 - 伊東四朗
亮子に脱税を指摘され、最後にはウソ泣きして調査を免れようとする。

・税理士
演 - 小沢栄太郎
パチンコ店の顧問税理士。
社長から税務署の肩を持っていると難詰され、怒る。

・露口
演 - 大滝秀治
港町税務署での亮子の上司。
亮子がマルサに抜擢されたことを父親のように喜ぶ。

・秋山
演 - マッハ文朱
港町税務署員。亮子の後輩。

・山田
演 - 加藤善博
港町税務署員。亮子の後輩。

・税務署長
演 - 嵯峨善兵
港町税務署の署長。

・蜷川喜八郎
演 - 芦田伸介
暴力団関東蜷川組の組長。
亮子に税務調査に入られた事を根に持ち、税務署に押しかけてメガホンを片手に大演説をぶつ。
亮子の塩入りコーヒーで撃退されるシーンが最高に面白い♪
 ”器物損壊の現行犯“

・査察部管理課長
演 - 小林桂樹
マルサにおける亮子の上司。
査察当日に関係者への一芝居。

・杉野光子
演 - 岡田茉莉子
権藤の内縁の妻。
貸金庫の鍵を管理。美容室のトイレ前で花村がヤキモキ⁇

<その他の登場人物・キャスト>
・査察部統括官
江角英明、小林勝彦

・花のような少女
山下容莉枝

・中年男
小坂一也

・ラブホテルの経理係
横山道代

・すばる銀行支店長
田中明夫

・すばる銀行次長
成田次穂

・すばる銀行取引課長
高橋長英

・看護婦
渡辺まちこ
- 袴田担当の看護師。
権藤の犯罪に手を貸す。 

・袴田利兵衛
竹内正太郎
- 末期がんで入院した身で看護婦のおもちゃにされてしまう。
権藤によって勝手に「袴田不動産」というダミー会社が作られてしまう。

・蜷川の腹心
上田耕一、ジャンボ杉田

・不動産屋
汐路章

・パチンコ屋の店員
掛田誠

・刑事
友金敏雄、小池雄介

・菊池
辻村真人

・マンションの若夫婦
ベンガル、畠山明子
ナツミオ

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