ベニーズ・ビデオの作品情報・感想・評価

「ベニーズ・ビデオ」に投稿された感想・評価

otom

otomの感想・評価

5.0
ハネケの"感情の氷河期"三部作の二作目。先日に続いてこちらも十年ぶりくらいの鑑賞。メディアは異なれど、テーマとなるいびつな距離感と胃に来る感じは最新作の『ハッピーエンド』まで一貫している。何が怖いって音が怖いよなぁ。と思いきやオルガンやら聖歌で意識をさらって行く絶妙さ。凄い。傑作。
SUPERTIGER

SUPERTIGERの感想・評価

4.1
ミヒャエル・ハネケは
天才ッ!!!

この監督が、言いたいことはよく伝わった。
映画よりも、監督の解説の話の方が面白かったッ!!!

サイコパスじゃねぇけど
殺してしまったら
以外と冷静かもね 笑

本人も、周りも

このガキは
性格悪いけどなッ!


結論ッ!
親が一番問題ありッ!!!
xxxxxxx

xxxxxxxの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

記録
主演を演じた方はファニーゲームの俳優さんだったんですね。
監督の三部作インタビューどれも見応えあります!
白

白の感想・評価

4.0
映像を通して無限に再生される暴力によって現実の意味は失われ物品へと変わる。
メディアが日常の暴力の拡大に対して責任の一端を担っていること、及び道徳や感情の次元における無関心の結果自分の責任や罪の意識から逃れようとする自分本意な人物の行動の描出によって自己中心的な物質社会と、世界の知覚を直接ではなくその表象を通してのみ取り込む今日に警鐘を鳴らす。

このレビューはネタバレを含みます

面白かったな、この映画はすごく。
今までハネケ監督の映画では「ピアニスト」がいっちゃん好きだったが、これは超えたかも知れないん。

愛するハネケ監督ですが、この映画について笑いながら話すハネケ監督はちょっとこえーなと想いました。
で、この映画を観て、殺人シーンで興奮してしまった自分もちょっとこえーなと想いました。

この映画は特に、ハネケ監督の自分に対する自己憎悪と自罰の深さを感じました。
相手がいたいけな少女だったからかもしれません。
自分も自己憎悪、自罰、自責といったものが激しい人間なので、ハネケ監督の暴力性や人をこれでもかというほどに傷つける表現はだいたい
「ざまあ」という感じで観てしまいます。
もっともっと痛めつけてやりたいという人間をあえてハネケ監督は選んで、傷つけ、痛めつけています。
たぶんオーディションなんかで今回の少女役の子を選んだとしたら、ハネケ監督は無性に痛めつけたくなるような子を求め、選んだはずです。
それはまぎれもないハネケ監督の純粋な愛だと想うのですが、自分を殺したくなるくらい憎みつづけている人間以外は、その愛は届きにくいものだと想います。

残酷性や冷酷性、異様さや利己的な部分に焦点を合わすと後味の悪いだけの作品になりかねません。
でもわたしはこの映画はとてもすっきりしました。
非常に、胸のつっかえが取れたなという感じです。

それは自分が女であるからかもしれません。
どこかむかついてしまう少女と自分を重ね合わせ、そこに救世主ベニー少年が現れ、これでもかというほどに苦しめて殺してくれてどうもありがとうという気分です。
たぶんハネケ監督自身もこの映画を観ていつもすっきりしているのでしょう。
豚の屠殺の映像を何度も観せるところなんかも、ハネケ監督は豚と自分を同一視して、自分が無残に殺されるところを喜んで観ている人だと想います。

でなければ、まず、撮れないでしょう。この映画は。
むしろ喜んでも観られないのに何度も執拗に映しているなら、それは偽善になってしまいます。

ハネケ監督は自分の異様さを喜んで表現してそれを観たい人間であるはずです。
だから観る人によってこの映画はとってもすっきりする映画になるわけです。

ハネケ監督は人間の汚さ、残酷さ、無機質さ、滑稽さ、醜さを表現するなかに自分を見つけて、ああわたしだ、わたしじゃないかと納得しては絶えずホッとしたい人間なんだと想う。
それは間違いなくハネケ監督の世界に対する深い関心と愛であるし、自分への受容なんだと想う。
好きな他者と好きな自分だけを認める人間ではないことは確かだ。
だからハネケ監督の愛は本当に深い。

もし本当にハネケ監督が、自分と少女、また自分と豚を同一視することなく、他者として撮っているなら、インタビューで笑って話すのは、これは人間としてどっか飛んでってると想います。
芸術作品のためといえども、尊い命である豚一匹犠牲にしているわけです。

ハネケ監督が笑ってるのは、「豚の死なんてなんてことない」と笑ってるのではなく、「自分の死なんてなんてことない」と笑っているのです。
だから最強の監督と言えます。

そうでないというなら、わたしはこの映画は撮って欲しくない。
そうでないというなら、それは、偽者だからです。

でもハネケ監督は、本物です。
確信します。
この映画を真面目に撮って、笑って話すハネケ監督は本物であり、その愛を、わたしは受け止めました。
是非同じテーマで、わたしは物書きなので、小説でバトンを繋げていきたい。
それだけ非常に面白いテーマです。

そしてハネケ監督のそんな苦しみは今の時代において、とても普遍的なものなのです。
気づいているか、まだ気づいていないかの違いがあるだけで。
面白かったですね〜!これまた好きな映画ですよ!
豚ちゃんが屠殺されるあんまり気分の良くないシーンから始まる映画でして、主演は『ファニーゲーム』で最悪のあいつを演じてたアルノフリッシュです。少年が同世代の子供を殺したという事件の記事からインスパイアを受けて作られた映画らしいですね。たまにあるじゃないですかニュースとかでも。
例えばアイツが憎い!だとかレイプしてやる!みたいなハッキリとした動機がない殺人を描いてるんですよ。この主人公のベニーは街で出会った女の子を殺してしまう訳ですが、動機もなければ、そもそも最初から殺す気があったのかすら分からない程あっさりしてるんですよね。しかも殺したすぐ後に食事したりしてるし。私思うんですけど殺人犯した後に食事するのってサイコパスの典型的な行動の一つですよねぇ、異常感が凄い。
上映時間のほとんどを占めるのはビデオの映像なので、ビデオをビデオ越しに観てるって感覚ですかね。女の子が殺されるシーンも固定のカメラの映像なので、画角から外れたりして、叫び声だけが響き渡るような感じですかね。この感じはハネケの映画でよくありますけど、監督が不安感を煽るためによく使う手法らしいですね。
この映画の中で一番印象的なのは、動機を聞かれて「どんなものかと思って」と答えるシーンですね。豚を屠殺する映像を観ながらベニーは「たかが豚でしょ」とか言ってるんですけど、多分「たかが人でしょ」とも思ってるんじゃないでしょうかね。「どんなものかと思って」という言葉にはきっと偽りはなく、ほんの少しの興味だけがそこにはあったんじゃないでしょうかね。いつもビデオを観て生きてきた彼は現実にもそんな幻想を抱くようになってしまったのだと思いましたね。
mtmt

mtmtの感想・評価

3.7
きちんと嫌な気分に。人生に現実感が持てない時期ってあったなぁと思い出せた。処理を真剣に話し合っている時に母親が見せた冷笑がリアル。3日でハネケ作品2作はちょっとキツかったな。
ハネケの考えるメディアが上手く反映させている作品。この宙吊りが見事に作用してる。
反復が見事なのと、ブレッソニアン的ショットが良い。
「隠された記憶」でさらに過去や無意識に掘り下げてるように思えるが、このミニマルさも好きである。
HASUMI

HASUMIの感想・評価

4.0
豚さんのシーンは耐え切れず一回だけ早送りしました。セブンスコンチネントでもそうでしたが動物殺すのやめてほしいです。

主人公の眉毛を見てすぐにファニーゲームを思い出しました。髪があるだけであんなにイケメンになるんですね。坊主の方がサイコパス感増して私は好きだけど。ハネケ監督の作品に彼のキャラクターはすごく合っています。

昔の作品をちゃんと見たいと思ってお取り寄せして見ています。感情の氷河化三部作二作目。

監督の作品は大好きなので見てて心地よいです(作品として)。
アート要素が強いのかなとたまに思うことがあります。
長回しの後に突然静かに衝撃的なシーンやセリフを入れてくることがそう感じさせるのですが、それが常に天才的なタイミングです。

途中から少し退屈になってきましたが最後になにかあるだろうと思いながら見続けたらやはりそうでした。

私はハネケ監督の大ファンですので
これからも彼を追い続けます。
ハネケ監督「感情の氷河化三部作」の二作目。こちらも中々の鬱映画です。

当然だけど「現実」は次の瞬間に何が起こるか分からない。

ところが、一度ビデオに記録された映像は既に起きた事柄へと瞬時に変わり、早送りも巻き戻しも出来る。

ビデオの世界にハマり込んだベニー。
「現実」はビデオ映像と違って先が読めないし、巻き戻しだって出来ない。そういった当たり前なことに対する意識がベニーには不足していた。

自分が犯した過ちの理由を問われた際、ベニーが「分からない、どんなものかと思って」と発した言葉に、予測不能な「現実」への淡い好奇心と、「生」に対する渇望が垣間見れた。

普段私たちが目にしているTV、ビデオ、映画に至る全ての映像は、「観る側」に向けた一方通行の情報であって、そこに相互のコミュニケーションは成立しない。常に「観る側」だったベニーは、ディスコミュニケーションに慣れ過ぎていた。

リアリティが欠落することの危険性を、ハネケ監督は「観る側」に感じさせたかったのではないだろうか。
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