ベニーズ・ビデオの作品情報・感想・評価

「ベニーズ・ビデオ」に投稿された感想・評価

悪さをして親に庇われた時の居心地の悪さなら身に覚えがある。大人になると取り繕うことが上手になるけどそういう時に本当は何て言って欲しかったか、ちゃんと考えねばと思う。
KiNSS

KiNSSの感想・評価

4.5
めちゃくちゃ面白え~…“映画”というものの核心を突く作品。
私たちの見る“映画”は現実ではない。
そしてベニーの見るビデオはパッケージされた“現実”。
なのに、彼や両親たちはどこかそれを架空のもの、映画のようなものを見ているような冷ややかさで、ああしようこうしよう、こうすればバレない、トイレに流せばいい、なんて“現実”に対してもどこか他人事で冷静で声を荒げることもない。
画面の中の世界と自分の目で見る世界のあやふやさ。何が違う?
すごく現代的で色んなことを思い出してしまう。

ベニーの時々みせるふつうの少年らしさ。事件発覚後の両親(とくにお母さんですね)無茶してる感じ。とても辛い。

なにより、おまけの監督のインタビューが本当に良かった。監督は答えを用意しない。答えは観客の中にある。そもそも答えなんてないけど。この堂々たる丸投げっぷり、素晴らしかった。
映像内映像に入り込んでいく程、現実はいよいよ遠ざかる。やりたい事は分かるんだけど、ここまで構造を意識させられると、妙に疲れる。この主演俳優はファニーゲームでもクズをやっていて、味わい深いね。
ハネケ監督の狂っちゃってる世界観に魅了されました。

なんとなく?

現実と、非現実のボーダーライン?

考えさせられました。好きです。
念願叶ってやっと観れた。ハネケらしい暗い、陰湿な雰囲気漂う映画。
少年ベニーは女の子を殺してしまう。それに気付いた両親は死体をトイレに流す事を思い付く。
ハネケのインタビューも含めて観ると更に面白い。ビデオと現実を混同するととても危険と言っている。
「なぜ殺した?」「どんなものかと思って」
これは現実と関わりの持てない人間の言葉だ。
変態に見えない奴に限ってむっつりだったりするように、主演の少年も一見フツウの少年なのに、なんとなく殺人してしまう辺りが恐ろしくて狂気的。両親が少年を庇うシーンもイラッとするがラストまで目を離せない。
たえこ

たえこの感想・評価

3.4
ハネケ好きですが、他人様にこの映画はオススメできない。
私の好きな映画はオススメできないものが多数。笑
なんとなく殺しちゃうのって実際にもありそうで怖かった。
かーし

かーしの感想・評価

3.0
冒頭で豚の屠殺。不穏。

父親「なんでこんなことしたんだ」
ベニー「ただ…なんとなく…」

警察「なんでこんなことしたんだ」
ベニー「なんとなく」

なんとなくの好奇心に周りが振り回される。
ミヒャエルハネケ初期三部作の二作目?
なのかな??

もうここまできたら!!!
と思って一気に見ちゃいました。

一作目の"セブンスコンチネント"と、
三作目の"71フラグメント"は、
造りやテーマも同じでしたが、
この作品だけちょっとテイストが違います。

まず各セクション毎に細かいブラックアウトが全く入らない。
そのお国柄に根付いた土着な問題に執着して物語を描くのではなく、逃亡して別の国に(ハネケ監督の作品でも珍しいのでは?)行った姿を撮影したり。
自分の撮ったビデオが主になって話が展開したり(これは後に監督が撮った"隠された秘密"にも繋がる?)
あと作中のしっかりとした時代背景と年代が作中で表記されない。

共通しているのは、
多分ですが、実際にあった事件から脚色してった話っつーことと、
作中に当時らしきニュースが何回も差し込まれること。
けど、今回は他二作品ほど、そんなにニュースが重要な意味を持っていない様な気がしてます。
それよりも、何よりも。
主人公であるこの青年とビデオに取り憑かれて爆音でメタルを聴いてる感じが、ナントォーーーモ、グランジィ!!
自分の様なリアルタイムにグランジを経験した人間からすれば「あー俺の中学とか高校とかカワンネェわ」的な主人公の気持ちが分からなくはない辺りが悲しいw
ほんで、この主人公が犯す事件はサカ○バラやミヤザ○ツトムの事件にあった「そこまで一線は越えないけど、周りが酷いぐらい狂人扱いしてるほど心境分からない訳ではねぇよ」つー感覚w
若い時はとりあえず「これやったらどうなるだろうな?」っていう好奇心の方が勝っちゃうし、何よりも舐められたくないというか自分の思い通りにしたいというか。
その80年代のおバカでブッとびまくった映像と現実の境目が分からなくなる程、ニュースとアニメが行ったり来たりして、
その現実に存在してる感覚すら無くなる程そこに囚われている。
なんとも問題発言になりがちな上記も含め、90年代のこの狂気感が見事すぎるぐらい描かれていて素晴らしいです。
ラストシーンでの主人公の行動こそが実は本心というか。
今現状辿り着いた監視社会への警告にも捉えられなくもない。
ただそこに辿り着くまでのダラっとした感じだけ若干のマイナス。
後味もハネケ監督の作品では珍しくスカッ!っとするのは俺だけなのかな?

個人的には三部作の中では一番好きでファニーゲームぐらい狂ってる作品。

まあ、俺も90年代のオトシゴだし、レビューで幾ら正直に書いても狂ってると思われるだろうし、まあ、確かに間違いなく狂ってるのでヨシとしましょうww
凍ったような色味と冷たいカメラワーク。メディアへの没入。現実を自分のカメラに収め続けることで現実感を喪失しきった少年。彼が起こす事件をまざまざと見せつけられて、この映画が制作されてから25年後のいまがどうなっているかふと考える。
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