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トロメオ&ジュリエットのはるのレビュー・感想・評価

トロメオ&ジュリエット(1996年製作の映画)
3.5
幸せならOKです!

ジェームズ・ガンが脚本を務めたトロマ流ロミオとジュリエット。エログロ満載、奇人だらけの中でトロメオとジュリエットの純愛は『美女と野獣』にも勝りますし、とにかく死と暴力のハードルがめちゃくちゃ低いので、当たり前に指は切断しますし、目はくり抜きますし、首は吹っ飛びます。

対立するキャピュレット家とキュー家のトロメオとジュリエットが恋に落ち、トロメオは両家の仲の回復と父親に虐待され無理矢理好きでもない男と結婚させられようとしているジュリエットを救い出そうと奮闘します。このジュリエットがやたら気持ちの悪い悪夢ばかりを見たり、純愛の末に変な薬でモンスターに変身したり、中々のぶっ飛び具合を見せてくれ、終いには父親に対して明らかにやり過ぎな過重暴行の末、頭にテレビをねじ込んで大爆発を起こして復讐を果たすのですから大したもんです。ラストでさんざん人が死んだ現場に警察官がやってきて開口一番「正当防衛!無罪!」と一撃で無罪放免とするのが面白すぎて吹き出しました。

トロマファンへのサービスとして毒々モンスターとカブキマンのカメオ出演も楽しいですし、なんとトロメオとジュリエットは兄妹でそれをわかったうえで結婚し、バッチリ奇形の子どもたちが誕生しているという無茶苦茶なラストも本人たちが幸せそうで後味は爽快なのですから不思議です。この頃からくそったれな父親に対する復讐というジェームズ・ガンのテーマはブレてないのだと再確認できました。
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