ストーリー展開にも引き込まれるけど、なにより演技で魅せてくれる映画。
SRKってとにかくボリウッドの大スター!って感じの人だけど、こんなに役の幅が広いなんて。歌もダンスも(ほぼ)ないこの作品だけど、それでもSRKだからこそ、ここまで感動させられた気がする。
アスペルガー症候群であるリズワンは自分の思うことをスムーズに言葉にできない。けれどいつだって真っ直ぐで決して嘘をつかない。他人にも自分にも。
わたしたちは都合良く言葉を操っているつもりでいるけれど、しがらみやプライドが邪魔して、本当は言いたいことの半分も言えていないんじゃないかと思った。
だから、リズワンにはわたしたちが無し得ない奇跡も起こせるのだ。
前半のじっくり丁寧で繊細なつくりが良かっただけに、後半は話が大きくなって少し置いて行かれた感がなきにしもあらず。あと政治的意図にリズワンが利用されてるように思えなくもなくて複雑。
なんて言いつつも、実際号泣号泣の映画でした。
そしてイスラム教徒でもヒンドゥー教徒でもないわたしが観るのと、当事者が観るのとでは全く感想の深みが異なると思うので、公開当時の海外の反応も知りたい。
日本でもイスラムに対して無関心ではいられなくなってきた今、知識不足ゆえの偏見が強まっているという。そういう意味では日本では、今こそ観る映画なのかも。