南森まち

たぶん悪魔がの南森まちのレビュー・感想・評価

たぶん悪魔が(1977年製作の映画)
2.5
若者がたくさん出てきて、いちゃついたり話し合ったり淡々としているうちに、ある人物にクローズアップされていき…というお話。

はい、来ました難解なフランス映画。タイトルはこんなにキャッチーなのに。
私なりの理解としては、絶望的な未来に虚無を感じた青年が、宗教や恋愛や友情に救いを求める…ということだったのかなと。

この映画の背景には70年代の終末感がある。それは、「沈黙の春」等により示された環境破壊、冷戦とそれに伴うベトナム戦争など紛争による社会不安などが原因となっている。
井上陽水が「都会では自殺する若者が増えている」と歌った時代。
この映画が当時の日本で公開されていたら、感化されて自殺する人も出たかもしれない。

そう考えると、なんだかんだいいつつ人類は当時悲観されていたよりも前向きに取り組んでいけているのかもしれない。

映画の中身について言うと、キャラの区別がつきづらかったです。主要キャラが5人ほどいるのですが、みんなロン毛、ヒゲ・メガネなし、痩身、70年代風服装、フランス系なので区別がつかない…
主要キャラのアルベルト(女)シャルル(男)ミシェル(男)エドヴィージュ(女)ヴァンタン(男)というフランス系の名前も、馴染みがないわたしにはきつかったです😅
日本映画を欧米の方が見たらこんな風に見えてるんだろうなぁ

デブとかヒゲとかメガネとかマッチョとかファンキーなアフリカ系とか小柄なアジア系とかを出して分かりやすくしてくれるアメリカ映画は偉大…!

あと、ザ・無宗教なワタシの目には、キリスト教に何らかの救いを求めようとする人びとは新鮮に映りました。
ちなみに、フランスの宗教比率はカトリック系(約 90%)、イスラム教(約 8%)、プロテスタント系(約 1%)、ユダヤ教(約 1%)らしいですよ。
欧州でも国によって全然違うんだなー🤔

ただ、やっぱり難解な映画でした、これは。