かなごろう

17歳の肖像のかなごろうのレビュー・感想・評価

17歳の肖像(2009年製作の映画)
3.4
容赦のない映画だと思った。キャリーマリガン演じるジェニーも、デイヴィッドもその仲間も、ジェニーの両親も、どこか純粋に堕ちていく。その渦の巻き込みかたに、容赦がない。変質していく愚かさに気づいていない純粋さがとても痛々しくて、意地悪に感じてしまうほど。

それってやっぱり現実で、大人の世界に魅入られていくジェニーの、自分が有頂天になっていることの浅はかさに気づかない傲慢なところは、未熟な生き物特有の純粋さなんだよなあ。その若さをちょっと意地悪に描いているような気持ちがしてしまったよ。

終わり方に関しては、ちょっと都合がよかった気もするし、こうしなければ後味が悪かっただろうなという気もする。
でも、17歳だった彼女に刻まれた傷は、感傷ではなくて生きる力と生きていける少しだけ狡猾な芯のようなものに変わって、それでこそ彼女は大人になっていくのだ、というエンディングだったように思う。