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トゥルー・ヌーンのkonomoのレビュー・感想・評価

トゥルー・ヌーン(2009年製作の映画)
4.0
イスラーム映画祭にて。タジキスタン映画。
完成度高い!監督さんはどんな映画的バックグラウンドの方なんだろうと気になった。

斜面で上村・下村に分かれている小さな架空の集落の間に突然国境が敷かれてしまう話。
びっくりな村人は、それでも鉄条網越しに物をやりとりしたり、両側に集まって学校の授業をしたり、緊急時にはこっそり網をやぶって急病人を運んだり(片方の村にしか医者も学校もない)。
そんな状況を憂慮され、国境沿いには地雷が埋められてしまう。
国境で隔てられた恋人たちは結婚式を挙げることができるのか?

話は架空だが、国境に分断された結婚って、映画でも国を問わず観るんだから、世界中あるあるなんだろう。アンゲロプロスの作品で川越しの結婚式とかあったよね…。

みんな仲が良くて、雰囲気はとてもほのぼのとしている。それが事態の重さを描く作品。
目に見える線で区切られる国、という感覚を島国の民は掴みづらいけれど、気まぐれに引かれたり変えられたりするその線と、それに普通の人々がどれだけ翻弄されてきたか、されているかは、ちゃんと認識しないとなと思う。
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