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風の中の牝鷄の一のレビュー・感想・評価

風の中の牝鷄(1948年製作の映画)
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初めて観る小津安二郎。このあいだ観た『変態家族 兄貴の嫁さん』を思い出さずにはいられない、フィックスで捉えた家屋や会話のカットバック。息子の入院費のためにたった一度売春した田中絹代を許せない佐野周二(髪型変)が何の確認のためなのか向かった売春宿で女に「こんなところで働いてていいのか」と説教するのがすごいやだ。そんな佐野がいじらしい絹代を階段から突き落としておいて心配する素振りもなく「これから夫婦でしっかりやっていこう!」と宣言するエンディング。どう考えても地獄の始まり。こわい。
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