いののん

復讐無頼・狼たちの荒野のいののんのレビュー・感想・評価

復讐無頼・狼たちの荒野(1968年製作の映画)
3.7
メキシコへの愛にあふれたマカロニ・ウェスタン
(多分)末端に位置するところの、
メキシコ革命を描いているのではないかと推察する。
彼等の切実な願いは、“ 土地と自由と! ”
人々を率いるテペパを演じるのは、我等のトーマス・ミリアン!


テペパ(トーマス・ミリアン)は、
まだ何者にもなっていないチェ・ゲバラ から(『モーターサイクル・ダイアリーズ』のガエル・ガルシア・ベルナル)→何者になりつつあるチェ・ゲバラ (ベニチオ・デル・トロ)へと続く、その、ちょうど真ん中に位置しているのではないかと、私は夢想した。(いつも直感で思い込み)


トーマス・ミリアンは、人を魅了する。屈託のないお茶目な笑顔と、開けっぴろげの心で人を惹きつけてやまない。トーマス・ミリアンが革命のリーダーだったら、私だって信じてついていくんよ。全てを差し出したっていい。
だけど、だけどね、
テペパはね、
女を全部おんなじに考えてる!
なんであんな台詞を言うのーーー!?
全くアホなんやからーーー!!!
ぐーーーーー

peccato, peccato,peccato,peccato,peccato,peccato,・・・
( “ 残念でならないよ ” )



今作は熱狂的に愛され、南米ではこの作品のみを繰り返し上映する常設映画館もあったということだから(DVD収録のプロダクション・ノートより)、私1人が最後の方の台詞を残念に感じるだけで、そんなことは今作の熱い想いを、いささかも冷ましてしまうものではない。気づけば私も、モリコーネ大先生のメロディーを大声で歌っていたりする♪



*この映画のことではありませんが、『チェ』(多分、後編)で、ゲバラが若き兵士に、勉強しなさいと言うところが私の1番好きなシーンです。強い兵士になれと言うのではなく、革命について教え諭すのでもなく、勉強しなさい、学びなさいと言う。そのシーンを何故か思い出しました。
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