benno

天はすべて許し給う/天が許し給うすべてのbennoのレビュー・感想・評価

3.9
The god of soap opera!! …ようやく鑑賞!! ダグラス・サーク監督作品です…。

ファスビンダー やトッド・ヘインズなどの監督らが今作を基にした作品を製作しています…。


ファーストカット…美しい時計台の脇から紅葉の街並みを見下ろすシーン…そしてひとつひとつのショットが艶やかな色遣い…まるで絵葉書…至福の時です…。

閑静な住宅街に住む未亡人のキャリー(ジェーン・ワイマン)…ふたりの子供も成長し、貞淑に過ごす日々…。

そんな時、庭師の青年ロン(ロック・ハドソン)と会話を交わし次第に距離を縮めていきます…。

ロンが手入れを続ける風車小屋がとてもロマンティック…大きな暖炉に大きな窓…ウェッジウッドのティーポットはまるでふたりの愛の状態を象徴するかのように映し出されます…。

また、ふたりの感情の高まりに呼応するかのように流れ始めるブラームス…そして、ふたりの心を接近させるように登場する牡鹿の存在はキューピッドのように神秘的…。

ベタ中のベタなストーリー設定にも拘らず…全く俗っぽさは感じず、とても上質なメロドラマ…魔力とも言える圧倒的な画力に始終うっとり…。



  〜〜〜⚠︎以下ネタバレ含みます⚠︎〜〜〜








しかしふたりの恋愛は順風満帆とはいきません…。

純粋なふたりの愛も他人の意思がその愛の上に次々と覆い被さります…年齢差や職業に対する偏見…街中のゴシップをかき分け愛を貫くのは決して容易なことではありません…考えた末のキャリーの決断は…??

そんな時、ある事故が起こります…。

愛の本当の敵は他人ではなく、欺瞞に満ちた自分自身…世間体を気にしていたのはキャリー自身であったことに彼女は漸く気付きます…。

She said… “No more running away!! “


風車小屋の大きな窓に映る雪景色…そこに現れたのはあの牡鹿…正に飾られた絵画のように溜息が出るくらいに神々しい…。

ソローの『森の生活』…また読みたくなりました…ෆ*



thanks to; ゴリアテさ〰︎ん εïз ...。✿*゚‘゚・.。.:*
benno

benno