Violet

ダージリン急行のVioletのネタバレレビュー・内容・結末

ダージリン急行(2007年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


“We haven't located us yet.”
この台詞がやはり印象的。
だだっぴろい土地に降りたときに放ったこの台詞は、単に「いまどこにいんの?」という意味だけではなく、自己探究の途中であるという彼らの人生を象徴しているのだ。

そしてこの映画を見ていると気づく。生きている我々みな、自己探究の途中で、きっと一生自分を見つけることなんかできないんじゃないかと。

けれど、それでいい。

インドを舞台にしたロードムービーやダージリン急行の洗練されたデザインがなんともWesらしい。ちょっと怖いけど、インド行ってみたいなあ。
ロードムービーを通じて、さまざまなバックグラウンドをもつ人と出会い、つながり、不思議なことになんだかあたたかくなる。子供を助けるために、3人とも無意識のうちに走り出してるシーンが好き。そのまま彼らはほぼ知らない子供のお葬式に参列することになる。時に自分に一体どんな関係があるんだということに密接にかかわるようなことがある。
そうして、
他者を知ることで、
世界を知ることで、
自分をまた見出していく。

父の存在に囚われ、それが足枷になっていたことは序盤からうつる重たい父のスーツケースでよくわかる。そのスーツケースを投げ捨てて列車に飛び乗るラストシーンがとても印象深い。足枷を外した時の身軽さたるや。

また、父のベルトがピーターの子供に受け継がれるシーンや、兄弟が売店で当たり前のように3人分の飲み物を頼むシーン(冒頭ではみんなバラバラに注文していた)では、どんなに離れようとしても離れられない、家族という強いつながりを感じられる。

総括、Wes Andersonの作品が大好き。

いろいろᝰ✍︎꙳⋆
⚫︎Bill Murrayがまさかのビジネスマン役なの豪華すぎた🤣あんなちょっとしか出ないことある?さすがWes!🤣
⚫︎Owen Wilsonが最高。最高。最高😭 お父さんの葬儀の時に前髪アップしてるのかっこよすぎ。
⚫︎列車を降ろされて列車にもの投げつけるシーン爆笑wありゃ降ろされるでしょw
⚫︎ちなみに。。この作品ではイギリスのロックバンド「キンクス」の楽曲がいくつか流れるが(“This Time Tomorrow”, “Strangers”, “Powerman”)、このバンドはめちゃくちゃ不仲な兄弟で組まれたバンドらしい🤣こういう選曲も粋だなぁ
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