観てなかったです。
よーやく観ました名作シリーズ③
ずっと気になっていましたが、長尺もあり今まで未見だった日本映画往年の事件もの大作!
昭和22年9月、532名が犠牲になった青函連絡船の転覆事故が起きた夜、北海道で一家惨殺事件も起きていた。
地元の刑事、弓坂は、連絡船の乗客名簿にない遺体に気付き、捜査を始める。
弓坂は、その夜姿を消した犬飼多吉という男を追って、青森に向かう。
この出だしだけでワクワク感が止まらないねえ〜
昭和の刑事ものは、足を使っての聞き込みがいい!
しかも、本作の老刑事弓坂役に喜劇役者の伴淳三郎さん、
伴淳さんが良いんだよなあ、後半もう一度出てきた時のあの枯れ具合も含めて、
本作の味をさらに奥深いものにしてくれた立役者だ!
そして、追われる男、犬飼をえんじるのが、三國連太郎。
まさに当たり役、僕は前半の逃げまくって、怯えてまくっている役が好きです。
前半を引っ張るのがこの二人なら、
中盤を一人でもっていったのが、左幸子!
この作品の左幸子さんは凄い!
可愛さと健気さとたくましさとエロチックさを兼ね備えて、中盤はこの人、杉戸八重
の映画になっている!
八重の一途さで。貧困ばかりの世の中を
渡って行くチカラになる。
八重が犬飼を見つけるシーンはとても印象的だ。
中盤から後半には、若き高倉健さんが
エネルギッシュに事件を追いかける。
予想外と言ってもいいくらい、多弁に容疑者に対していくのも面白いし、
まだ、若手だけど、大物感いっぱいだった。
このように3時間の長編だが、事件や役者の魅力でぐいぐい観ることができ、長さを感じさせない。
ただ、5/6を過ぎたラスト30分が一気にトーンダウンしたのが残念だった。
事件ものは、解決編が難しいなあということを、この伝統作でも感じてしまった。
ひょっとしたら、あの名作「砂の器」は
これを参考にしたんじゃないかな、と推測している。