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稲妻のmasatのレビュー・感想・評価

稲妻(1952年製作の映画)
3.1
男は醜悪、そう思う女は四人姉弟で、すべて父親が違う。
その母を浦辺粂子。
醜悪な男の象徴を小沢栄太郎。
対照的にスマートな男の象徴を根上淳(その妹は賢そうな香川京子)。
その対極にある男性像が素晴らしい。

男は嫌だ、私は生まれが卑しい、自立したい、何かを見つけたい。
鬱屈しながらも、溌剌と歩みたい高峰秀子。明日は解らないが、この人間模様を見ているとなる様になるのだろう。ただ、なる様になる、そんな事から、時代から、何とか足掻きたい、抗いたい、そう言う芽生えの始まりの女性像が圧巻。

なる様になった母と、違う明日を見つけたい娘のクライマックス、そして夜道を歩く二人のバックショットの、なんとまあ、あっさりとしながらも真意を突くラストは、凄いですねぇ、まったく。
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