Omizu

ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実のOmizuのレビュー・感想・評価

3.8
【第72回アカデミー賞 長編ドキュメンタリー映画賞受賞】
1972年ミュンヘンオリンピックにてパレスチナ武装組織「黒い九月」がイスラエル選手団11人を殺害した事件を扱った作品。監督は『ラストキング・オブ・スコットランド』『モーリタニアン 黒塗りの記録』など劇映画監督としても活躍しているケヴィン・マクドナルド。

本当にドイツ警察や政府の無能っぷりに呆れ返るしかないのだが、当時はまだ東西にドイツが分断されていた時期。西ドイツの平和主義的なボン基本法により軍事訓練や武装が制限されており仕方ない面もあったと思う。

対してテロリスト側は明確な意図と入念に練られた作戦に基づいて行動しており、まあそりゃ太刀打ちできないだろう。

でもやはりそんなことは関係なく何の罪もなく殺されたイスラエル選手団やその家族は可哀想だし、今でも許すことができないのは当然だろう。

テロリストの生き残った一人が「後悔していない」と語るのは本当に腸が煮えくり返る。

音楽の使い方が少し軽薄ではないかと思ったシーンもあったが、上手く緊迫感たっぷりに上質なドキュメンタリー映画として仕上げていて非常に上手い。
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