明石です

裸の十字架を持つ男/エクソシストフォーエバーの明石ですのレビュー・感想・評価

3.8
少女時代に悪魔に取り憑かれた過去を持つ女性が大人になってふたたび取り憑かれ、神父とアヤシイ宗教家の助けて得てテレビに出演、悪魔祓いショーで除霊をする話。まさかの本家『エクソシスト』でリーガン役を演じたリンダ·ブレアを起用し、劇中にはチューブラーベルズのアレンジが鳴り響く、これぞ正当な続編と言わんばかりの意欲作。「2」のあまりにお粗末な出来栄えに原作者が激怒し『エクソシスト3』を手がけたというのは有名な話ですが、本作についてはどう思ったのか気になる。少なくとも私にとっては良作でした。

かのコメディ界の最高傑作(と私は思う)『裸の銃を持つ男』よろしく、お馬鹿だけど実は洗練されたネタのオンパレード。延々くり返されるオフビートというにははっちゃけ過ぎな笑いに、ほぼ誇張なく、30秒に1回は笑ったかも。序盤の「シカゴにあるカリフォルニア大学」からもう面白い。「彼は司祭になる資格があるか自問していた。いっそのことラビになろうかとも考えた」こういう、滅茶苦茶適当なように見えて裏でちゃんと計算し尽くされてる感じのネタ大好き。

ただし後半以降、悪魔祓いショーが幕開け、特殊効果を多用しだしてからは、時代だなあと思った笑。当時は最新だった技術も、こうして多用されてるのを見ると、今では野暮ったく感じてしまう。そして何より、技術に頼って頭を使うのをサボった感じも否めない。ネタを疎かにしているというか何というか。後半の減速がなければもっと高評価してた。やっぱり『裸の銃を持つ男』シリーズは偉大だったんだなあ。

昔とった杵柄ならぬ少女時代の悪魔憑きの役の経験から、このふざけた映画において、悪魔に取り憑かれたリーガンの演技(だけ)は本物でした笑。どういう気持ちでこの役を演じてるのか、終始気になってた笑。もちろん真面目な顔をしてふざけ倒すレスリー·ニールセンは言わずもがな最高で、どの役を演じてもレスリー·ニールセンにしかならないという、通常なら俳優としてマイナスになるはずの要素がこの人に限ってはいつもプラス。彼が出てるコメディ映画は全部見たい。

—好きな台詞
「妻をこんな風にベッドに縛りつけてどうしようというんですか?こんなこと一度もしたことありませんよ。子どもたちが林間学校で家を空けた日以外は…」
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