山荘に踏み込んだ男女3人組の強盗犯が、居間で睡眠薬を飲んでいた女性（沢田和美）を人質に取って籠城しようとする。崖っぷちに追い込まれた人間の生態を描いている、日活ロマンポルノ。NCP共同製作。笹沢佐保の小説を原作に取っている。
自殺未遂者である主人公の境遇が、早々と鑑賞者に開示されるため、ミステリー要素は希薄。信頼を置いていた恋人に裏切られ、愛のないセックスへの失望を抱えている女性が、犯罪者と接触するという物語。
ボス格の男（重田尚彦）が主人公に引き寄せられたのを契機にして、立て籠る4人組が男女ペアに別れてしまう。トラブルメーカーの青年（趙方豪）が重要人物であり、こいつのキチガイぶりに振り回される展開が大半を占めている。
キチガイ青年は、淫靡な顔を潜ませながら清純を装っている、打算的な女性に対して恨み節を抱えている人物。ロマンポルノに必要不可欠となる人物像であることは分かるのだが、「こんな奴を強盗に引き連れていくなよ！」というツッコミが止まらなくなる。
