似太郎

ことの次第の似太郎のレビュー・感想・評価

ことの次第(1981年製作の映画)
3.8
【映画の中で「映画」を論じるな💢】

う〜ん。監督自身が実験映画を撮るのに行き詰まってる苦悩みたいなものがヒシヒシと伝わってきたよ!

前半と後半の落差がものすごい、メタ・フィクショナルな構成が異彩を放つヴェンダースの自主制作映画である。一応ヴェネチア金獅子賞受賞作。

ちょっと小賢いフェリーニの『8 1/2』のような雰囲気もあり、万人受けを拒んだ自主制作映画的ムードは若松プロや大島渚の『東京戦争戦後秘話』みたいだし、何にせよ頭脳的で楽しんで観るタイプの映画ではない。

掛かる音楽も安っぽいし、そのチープな意匠は何か「異色中の異色作」を観たという気持ちで一杯になる。映画を小難しく解釈したがるある一定の時期(青年期)に拗らせる理屈っぽいインディーズ映画の源流がここにはある。

監督が自分の作風に心底酔ってる感じがあり若干キモい…。😹
似太郎

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