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太陽が知っているのkojikojiのレビュー・感想・評価

太陽が知っている(1968年製作の映画)
3.5
#1283
1968年 フランス🇫🇷映画
監督: ジャック・ドレー
音楽: ミシェル・ルグラン

「太陽がいっぱい」が1960年制作。この映画はその8年後になる。
ドロンとモーリス・ロネ共演となれば、当然「太陽がいっぱい」を思い出さずにはいられない。しかも再び殺人。監督も意識してるだろう。

南仏の別荘でバカンスを楽しむジャン・ポール(アラン・ドロン)とマリアンヌ(ロミー・シュナイダー)。そこへ、マリアンヌが招待したハリー(モーリス・ロネ)と年頃の娘ペネロープがやって来る。ハリーはマリアンヌの元恋人で、ジャン・ポールは音楽業界の成功者である彼に劣等感を抱いていた。4人の男女の思惑は不穏に交錯していき、やがて事件が起きる。

 この思惑が不穏に交差する描写は、なんなの?と思うぐらいの視線のやりとりで描いていて、少しやり過ぎじゃないだろうかと思ってしまう。あからさまなのだ。
それが、何故殺人に繋がるのかは、微妙過ぎてよくわからないが、ここに来るまでの過去の因縁がどうも曰くありげだ。ポールは自殺未遂までしているのだから。
 殺人事件が発生した後のドロンの演技がいい。それまではなんだか夢心地のようなふわふわした演技が、殺人事件を機に弱さを微妙に見せて、人間らしさが垣間見えた感じですごくいいと思う。

 この当時、実生活のA・ドロンは側近が射殺された『マルコヴィッチ事件』の重要参考人として取り調べを受けていてスキャンダルの渦中だった。
 おまけにお相手は、別れた元婚約者(結婚はしていない)ロミー・シュナイダー。しかものっけから二人の熱い抱擁、キスシーンで始まるのだから話題には事欠かない。
ロミー・シュナイダーはドロンの指名だったというから驚く。

 ロミーシュナイダーは美しさの頂点のような時期だ。あの深海を思わせるような瞳がなんとも言えず魅力的だ。後ろ姿、背中が美しいと思った。ただ、胸の形は良くない。

 太陽がいっぱいのあの素晴らしい音楽はないが、話題も多く、それなりに楽しめる映画だ。ドロンは身体も見事に引き締まっていて、脂が乗り切っている。ちょっとカッコ良すぎる。

2023.07.08視聴318
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