監督シドニー・ルメット×主演ショーン・コネリーという鉄板にも思える組み合わせなのに知名度がない理由が一度観ればはっきりわかる、かなり鬱にさせる一本。正義感に溢れた刑事に見える主人公の心の中の真っ暗な闇を時間をかけてじりじりと炙り出していく過程、そしてその中で不安や緊張感を煽るようなカットの使い方にはルメット節がしっかり感じられるが、闇の中から見えて来たものが結局真っ黒だった事もあり救いの要素はほぼ無し。一時期のイライジャ・ウッドのように「こびりついた役柄のイメージを払しょくする」ようにこれまでと正反対の方向に進んでいくショーン・コネリーの熱演は見ごたえがあったが...