本作は、″暴動が発生した刑務所に取り残されてしまった看守のサバイバル″が描かれるサスペンス映画かと思いきや、思いも寄らぬ方向に話が転がっていくというサプライズに満ちた作品。
物語の端緒は卓抜だ。
翌日に勤務を控えた新任看守フアンが刑務所の見学に訪れ、天井落盤事故で頭を負傷する。
そのとき不運にも暴動が発生し、ひとり監房に取り残されてしまう。
生き残るためには囚人になりすますしかない。
そう判断した彼は、機智とはったりで刑務所のリーダーに取り入り、脱出の機会を伺う。
「いつバレるのか」
サスペンスが持続する。
物語はどんどん予想外の方向へと進み、結末も慮外。
フアンの妻との愛情、リーダーとの友情は「お約束」だが、″アレ″はいったい誰が予想しただろうか。
ハイレベルの緊迫感が持続していくというよりも、物語の展開に唖然としながら観るといった方が正確だろう。
邦画やハリウッド映画の手法や展開に「飽きてきた人」が観るには最適の映画である。