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ロバート・アルトマンのイメージズのsymaxのレビュー・感想・評価

3.7
それは、一本の電話から始まった…

電話の先で女はキャスリンに呟く…夫が浮気をしているというのだ…

その日からキャスリンの前に現れたのは、昔の恋人"ルネ"…だが、ルネは3年前に死んだはず…キャスリンの様子を心配した夫のヒューは、彼女を田舎の別荘に誘い静養させる事に…だがキャスリンの目に映るのは…もう一人の自分…

…いきなりのお休みで朝イチから"タワーリング・インフェルノ"を鑑賞後、次どうしようかな〜とうどんを食べながら検索すると、タイミングが合わず鑑賞を諦めていた"私、オルガ・ヘプナロヴァー"がアップリンク吉祥寺で公開中とな…じゃ行こうと吉祥寺へ、早く着きすぎとてもじゃないけどこの暑さの中、外でぷらぷらしてられないよと思ってたら、"ロバート・アルトマン傑作選"の一本として本作が公開中という事で本日二本目…前置きが長くなってしまいましたが…凄いです…

唐突に始まるキャスリンの悪夢は、決して終わる事なく、次から次へと現実とも幻覚とも幻聴とも言える"イメージ"が襲ってくる…まぁ、サイコ・スリラーなんでしょうが、壊れていくキャスリンの一挙手一投足が丁寧に描かれていきます。

序盤から少々混乱する展開の上、キャスリンを演じたスザンナ・ヨークの怪演がその混乱を深め、物語は正に予測不能…

キャスリンの前には、三人の男〜夫、死んだ元恋人、前の恋人の他に、ドッペルゲンガーとしてキャスリン自身も登場し、どれが本物でどれが幻覚なのか曖昧になっていく…

イギリスの田舎の風景なのにどこか日本風な旋律が混沌とした世界を更に混沌とさせていくのです…今作の音楽はジョン・ウィリアムとツトム・ヤマシタ…

ちょっと気を抜くと置いてけぼりを喰らってしまいそうですが、その迫力に圧倒され、恐怖し、翻弄されるのでした…
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