クリーム

ロバート・アルトマンのイメージズのクリームのレビュー・感想・評価

4.0
アルトマン監督2作品目。こう言うのは観る前から、好きだろうと思ってたけど、やっぱり好きでした。ウインドチャイムの音色、音楽、音響の使い方が上手く、特に神経を逆なでするツトム·ヤマシタの東洋的な音響効果の異様な感じが良かったです。面白かった。

キャシーは、夫の浮気をほのめかす電話により、夫ヒューを責めます。彼が彼女をなだめ、キスをすると、ヒューが一瞬にして事故死した元恋人ルネの顔に変わります。自分がおかしいと感じ始めたキャシーは、静養の為、夫と田舎のコテージで数日過ごす事にします。しかし、そこでもキャシーの身に不思議なことが起こり続けるのでした。



ネタバレ ↓



着いてすぐに自分のドッペルゲンガーを目撃。部屋では煙道も開けずに薪を燃やし、誰もいないハズなのに足音が聞こえる。探し物をしていると再びルネ登場。意識から追い出そうとするが、話かけて来る。ルネにモノを投げ付けたら血だらけになるが、これも幻影。
そして、ヒューが友人マルセルとその娘スザンナを連れて来た。マルセルもキャシーの元カレで隙をみては迫って来る。それを幻影のルネが見てチャチャを入れる。ある夜、3人の男と乱れる自分を思いだし、ベッドに行くと裸のドッペルゲンガーが自分を見つめる。これはキモ怖かった(笑)。
その後も幻影に悩まされ、猟銃でルネを撃ち殺したキャシー。実際は夫のカメラを撃って破壊した。
ヒューが仕事で留守にするとマルセルがやって来たので、キャシーは刺し殺した。その後、スザンナが父を探しに来たので、一緒に自宅へ行くとマルセルは元気だった。ラストにドッペルゲンガーと対峙し、崖から突き落とし、ヒューの元へ。しかし、ヒューはおらず、さっき殺したハズのドッペルゲンガーがいて、突き落とし殺したのは、ヒューだった。
コテージには、マルセルの死体が転がったままだった。

考察しがいのある内容で、解釈は各々と言った感じだと思います。キャシーは、男性関係に奔放な女性だった過去があり、今は夫だけと思っているが、2人の幻影に悩まされる。殆どは彼女の幻影内で殺し、過去の自分を抹殺しようと戦っている様に思えました。現実と過去のイメージが交差し、最終的にヒューを犠牲にして、過去キャシーが勝ってしまったと言う恐ろしい結末なのかと思います。恐らくは統合失調症であろうキャシーの恐怖の世界に観賞者は振り回される展開で、頭の中がぐるぐるして楽しかったです。好みの作品でした。

*みんとさん、ありがとう♡
クリーム

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