しーかず

ロバート・アルトマンのイメージズのしーかずのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

1972年の作品にして映像美が凄い。ロケーションの綺麗さや、どこか陰鬱とした雰囲気はヨーロッパの映画ならでは。ちょっと全体として詩的過ぎて気難しさも感じる作品ではあったけど、主人公キャスリンの見る幻覚にその辺のホラーを超えた恐怖を感じた。夫の浮気を告発する謎の女からの電話から全てが始まるんだけど、この電話もキャスリンの夫の浮気を心のどこかで疑っている気持ちや不安さからの幻覚なのか、それとも実際にあったのか。元恋人で既に事故で故人となっているルネも、キャスリンは未練を感じていたような雰囲気もあったし、そう考えると精神錯乱系の作品なのかもしれない。演出も映像も70年代とは思えない完成度。クライマックスのキャスリンが見ている人、殺してる人が幻覚なのか誰なのか分からなくなってくるという観ている側も錯乱する展開も素晴らしかったし、ラストも絵に描いたようなバッドエンドで良かった。序盤からずっとキャスリンが独り言で読み続けていたユニコーンの物語が読み上げられながらエンドクレジットに行くのもお洒落だし、最後まで詩的だった。
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