あかつか

ヨコハマメリーのあかつかのレビュー・感想・評価

ヨコハマメリー(2005年製作の映画)
5.0
ご存知ハマのメリーさん。終戦後にパンパンとなり、街娼となり、「皇后陛下」と呼ばれ、「おばけ」と呼ばれ…。エイズ流行の折には、通っていた美容室を追い出されたという(曰く、「病気持ちの娼婦が通う美容室なんかに行けるか」という客の声があったという)。

アート宝飾で昼寝し、根岸屋の前に立ち、バーキンで昼食。自分らしく生きるってどういうことなんだろう。新宿西口の志集売りとか、思い出すよね。

将校しか相手にしない、根岸屋の女将にも挨拶しないなどの振る舞いで「気位が高い人」という証言があるが、街娼という道を選択しているところや、誰にも告げずに姿を消すというところからもその片鱗を感じる。

メリーさんを追いながら、終戦直後の横浜大衆文化の貴重な証言録になっていて、とてもとても上品な作り。

ネットの情報によると2005年に亡くなったらしい。彼女の長ーい戦後がようやく終わったということなのかもしれない。
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