KyoSiro

ディスコ・ストーリーのKyoSiroのレビュー・感想・評価

ディスコ・ストーリー(1987年製作の映画)
3.1
68年のプラハの春で民主化に失敗したチェコスロバキアですが、この映画公開の2年後の89年に、ようやく民主化に成功…

この映画は、民主化へのカウントダウンが始まった頃…87年に公開された映画ですが、
全編に渡り主人公ミハル・デイビットのPVのような構成になっており、彼の歌からはチェコ民主化に向けた当時の若者のパワーが画面いっぱいに伝わってきます。
途中、全裸で町中を走るシーンもありますが、当時の政府が表現の自由に対しても どれだけ寛容的だったのか…がよくわかりますね。
「存在の耐えられない軽さ」の舞台68年から約20年を経て、自由を謳歌するチェコの若者たち。間もなく来るベルリンの壁崩壊も待ち遠しい。そして「存在の耐えられない軽さ」とセットで観たい作品でもありますね。
とは言え、その後、93年にチェコとスロバキアは分断されてしまうのだから、この映画の存在は、歴史の1ページを切り取ったような映画「気球の8人」みたいなものかな…とも思いました。
あと、87年なので、ホワイトジーンズやアロハシャツなどがたくさん登場します。80年代後期のコーデが微笑ましいです。
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