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神曲のmrhsのレビュー・感想・評価

神曲(1991年製作の映画)
4.5
"精神を病める人々"という表札が掲げられた邸宅(=ということはこの映画の舞台はつまり…)で文学や聖書を引用しながら議論を戦わせていて、劇中に殺人、自殺、死体、神経症患者みたいなわかりやすい異常性の記号がたくさん出てくるのだが、それにも関わらず、鑑賞後に思い出すのは画面自体という稀有な映画。

どちらのファンも怒る比較になるが、(エセ)神学的な議論はタルコフスキーを思わせないこともないが、あれよりユーモアセンスがあるし、タルコフスキーの様なカルト的な人気がないのは、彼とは対照的に映像の出来(の良さ)がカルト的な世界観を遥かに凌駕しているからではないだろうか。

この人の作品もTSUTAYAの発掘良品に並んで欲しい
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