三隅炎雄

ヴァンパイア・クイーンの三隅炎雄のレビュー・感想・評価

ヴァンパイア・クイーン(2004年製作の映画)
3.7
主人公の刑事は、こっそり同僚の奥さんとSM浮気。仕事ではタフガイでもベッドではドM、責められる方なのであった。一方満たされない妻は学生時代のレズビアン経験が忘れられず、こちらもチャットで浮気の相手を探す。で会ってみたら、相手が吸血鬼となって現代に生きるエリザベート・バートリその人であった。失踪した妻の行方を求めて刑事の捜査が始まる。
あまりお金のかかっていないカナダ産の吸血鬼映画で、メインの出演者全員が驚くほどパッとしない顔をしている。弱ったな大丈夫かなと思ったが、これはなかなか面白い映画だった。フィルム・ノワール型の地味な刑事映画にしたのが思いのほかうまくいって、1時間50分弱をサクサクと見せる。低予算と思っていたら、ベニスにロケ移動も、ちょっと儲けた気分になる。夜のベニスはどうしても『赤い影』を思い出すし、背徳的秘密パーティから血の風呂と大きな見せ場が集まって目の保養になる。
もう少し役者とカメラが良ければとは感じるけれど、B級映画、あまり欲を言うものではない。バートリを追っかけているイタリアの刑事が味があってよかった。サイキック大戦争みたいな日本盤DVDパッケージは詐欺。
三隅炎雄

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