C.リー、P.カッシング、V.プライス共演作。患者の手足をだんだん切除していく病院の話と連続吸血暴行殺人事件の捜査の話と東欧軍事政権の内紛の話が同時進行して最後にSF映画になる。吸血鬼映画、異常犯罪映画、スパイ映画、SF映画、一本で全部楽しませますみたいな映画だが、今のアメコミ映画みたいに多ジャンルが溶け合って上手に一つの世界を形成しているというのではなく、各パートの描写のタッチはまちまちでとっ散らかっている。で、その雑然、ギクシャクした世界が今見るとかえって珍味で楽しい。
『吸血鬼恐怖のメス』なる別題で大昔TV放送された時は、カットもあって最後が何が何やらわからなかった記憶があるが、これ最近のゴム人間陰謀論みたいな話だな。
怪作としての魅力はじゅうぶんある。