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ROCKER 40歳のロック☆デビューのtoshiのレビュー・感想・評価

4.0
今週末は昨日の小さな恋のうた鑑賞に続き今作と音楽、バンド物の作品で楽しみました。
スクールオブロックのジャックブラックとモロかぶりな今作40歳のドラマーフィッシュを演じたのはレイン・ウィルソン。でもこれはこれで全然アリでした。
20年前、デビューを直前にしたフィッシュがドラムを担当するバンドヴェスヴィオス。メジャーデビューを決めるもののでもデビューには条件が付いた。それはレーベル会社社長の甥っ子とフィッシュをメンバー交代させること。他メンバーはそれをあっさり受け入れてしまいます。
その後20年間その辛い現実を中々受け入れられないフィッシュは仕事が安定しません。そんな折、ひょんなきっかけで姉の息子マットの組んでいる高校生バンドにドラマーとして加入・・・。彼らの練習動画でフィッシュが取った行動がYoutubeで拡散しメジャーデビューのチャンスを掴みます。

スクールオブロックは小学生でしたが、今作は高校生相手に2回り年上な40男が音楽と人生の素晴らしさを彼らに教えます。でも元々大人になり切れていないフィッシュなので教える事がいちいちおバカです。ただそれがロックに見えて仕方ない。若い子達には大人の難しい話よりもフィッシュみたいに素がおバカな言動の方がロックで心掴まれるのかもしれません。

ブランクと年齢から体力の限界も見受けられるフィッシュですが、マット始め高校生メンバー達よりもロックを楽しんでいる姿がとても微笑ましいかったです。

大ラスは「お決まりっぽいけど、そう持ってくると楽しめるよね!」といった内容。気持ちがスカッとするラストにもロックを感じました。
100分ちょっとで且つサクサク進み、フィッシュのおバカっぷりが面白いのでロックで笑いたい方は是非どうぞ!

【余談1】
フィッシュが加入する高校生バンドA.D.Dのベーシストアメリアを演じるのはエマ・ストーン。この時20歳位だと思いますが兎に角可愛いです。ベースを持つ後姿やTシャツ越しのお胸の膨らみとか可愛すぎです。
ベースを弾く演技はイマイチなのですが、彼女は手が小さいのかベースの4弦を抑えて弾くシーンがありませんでした。が、それも何だかキュートでした。

【余談2】
フィッシュが首になるヴェスヴィオスでギターを弾くのはブラッドリー・クーパーでした。アリーよりも全然前に楽器演奏する役をやっていたんですね。しかも中々さまになっておりました。

【余談3】
色々な理由はありますが、バンドメンバー交代や脱退は当人ではなく他者が決めて告げられる事も少なくありませんよね。有名なところではビートルズのドラマーピートからリンゴの交代でしょうか。ビートルズは好きではないので詳細は知りませんが、今作を観ていてピートの事を思い出しました。
また私が大好きなストーンズでも辛い脱退者がいました。それはピアノ担当だったイアン・スチュアート。スチュは容姿が他メンバーと異なりストーンズ向きではないという理由だけで当時のプロデューサー、アンドリューからクビを宣告されました。が、ここからがもっと辛いのが、アルバムでの鍵盤参加や裏方の仕事でよければこれからもメンバーと共に出来るという事。スチュは何とそんな辛い条件を飲んで長年ストーンズのメンバーに尽くしてきました。1985年に47歳の若さで亡くなりましたが、スチュは「6人目のストーンズ」と呼ばれ、メンバーだけではなく我々ファンも間違いなくストーンズのメンバーだったと思っております。
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