松岡茉優

恍惚の人の松岡茉優のレビュー・感想・評価

恍惚の人(1973年製作の映画)
4.2
凄すぎる。森繁はあんまり好きではない(日本映画好き失格か)のだが、この映画の森繁は異次元すぎる。役者って凄い…。
あまりにも辛い内容で、観るのがしんどかった。妻を亡くして認知症になった森繁をその息子の妻の高峰秀子が世話をする。
徘徊だったり、夜中喚いたり、いきなり暴れたりと認知症の症状を誇張も遠慮もせず、ただ淡々と描くから本当に辛い。夫が父親の介護をなかなかしなかったり、娘の乙羽信子が父親をモノ扱いしたりと本当にありそうで胸が痛む。ただ、花を見つめる高峰秀子と森繁のシーンや、若者カップルをただただ見つめる森繁などほっこりする場面があるのが救い。森繁にババア扱いされて煙たがれる浦辺粂子がクソおもろかった。まさに名脇役。原作も読んでみたい。
松岡茉優

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