恍惚の人の作品情報・感想・評価

「恍惚の人」に投稿された感想・評価

「すいませ〜ん。ご飯くださ〜い。」って四六時中言っていた近所の認知症のおばあちゃんを思い出した。森繁久彌扮する茂造おじいちゃんもご飯のことばかり。

子どもに戻るとは的を射た言い方で、行動はもちろん正直かつ残酷な発言にクスッと笑えたり母性本能くすぐられたり。しかしお世話をする家族にとっては大変な気苦労で、かつてこのおじいちゃんにいじめられた嫁・昭子(高峰秀子)には本当に頭が下がる思い。ジャケットの写真のシーンでのおじいちゃんが安堵して放つ言葉に涙がポロポロ…

買い物帰りに白い花をみつめるおじいちゃんはまさに恍惚の人だった。あと昭子さんのお勤めファッションがステキだった。
記録

当時、認知症高齢者をいち早く扱った作品。何といっても森繁久彌と高峰秀子の鬼気迫る演技に終始画面にくぎ付けにされる。心理描写を隙間なく捉えるカメラワークも見逃せない。
Itasin

Itasinの感想・評価

3.9
40年以上も前に認知症とその支援のあり方を考えさせる映画。
あれから社会は成熟したと言えるか?
yoeco

yoecoの感想・評価

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あきこさん…おなかが空きました…

介護保険がまだない時代。若い篠ひろ子がでてる。
浮き草

浮き草の感想・評価

4.5
先駆的な題材を、森繁×高峰の黄金キャストで。ピタッとはまってる。

内容は今なら昼ドラでもありそうかもしれないけど。今はむしろとことん美化しそう。そしてその美化も陳腐で。

本音、露骨なことをとことん描きつつ、森繁への高峰の感染の描写が見事。そっと描く感じが良い。

脚本は松山善三。「名もなく」も「山河あり」も、先駆的なものを早くに映画にしてくれて、名優たちによって貴重なものが遺産として残されたなと思う。
procer

procerの感想・評価

3.0
鬼気迫る森繁爺の演技が印象的。
まさか、自分の父が認知症になり
同じ事をするとは。
この時の森繁さんの顔がふっと
よぎりましたが、
リアルなんですよね。
森繁おじいちゃんがボケてしまい、辛くあたっていた嫁さんが介護に追われる映画。壁に排泄物を塗りたくるシーンが印象的だが主題はそこではない。
笑いあり涙ありの人間ドラマ。と私は捉えたが、ボケと介護の体験を経た鑑賞者にはさらに多層的な作品となり、単なるフィクションとしては捉えきれないだろう。体験の有無で感想が全く変わってしまう映画。余談だが、ミドリカワ書房の恍惚の人は、この映画をベースにした歌であり、挿入歌といわれても遜色ない良曲である。
Hiro

Hiroの感想・評価

3.9
認知症の介護、、痴呆症と呼ばれていた。。こんな時代から、ずっと、問題視されてたんですね。。
2019年初鑑賞はやっぱり70年代。

「すいませ〜ん。ご飯くださ〜い。」って四六時中言っていた近所の認知症のおばあちゃんを思い出した。森繁久彌扮する茂造おじいちゃんもご飯のことばかり。

子どもに戻るとは的を射た言い方で、行動はもちろん正直かつ残酷な発言にクスッと笑えたり母性本能くすぐられたり。しかしお世話をする家族にとっては大変な気苦労で、かつてこのおじいちゃんにいじめられた嫁・昭子(高峰秀子)には本当に頭が下がる思い。ジャケットの写真のシーンでのおじいちゃんが安堵して放つ言葉に涙がポロポロ…

買い物帰りに白い花をみつめるおじいちゃんはまさに恍惚の人だった。あと昭子さんのお勤めファッションがステキだった。
まだ介護保険制度も存在しない時代、デイサービスは老人クラブと言う名前であり、老人ホームは養老院と呼ばれ、そのような場所へ行く事は、一家の汚点や恥に近く、あまり公にはされなかった。

老人性痴呆症と言う名称は消えた訳ではなく、言われなくなっただけであり、場所や人によっては、まだ現役だったりする。

認知症は大きく分けて、アルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型がある。

恐らく立花茂造氏は、典型的なアルツハイマー型だと思われる。

作中、茂造氏が認知症を発症したのは、妻の死がきっかけとされているが、明らかにこれは誤りだ。何故なら、妻が幾ら声をかけても起きないと言う前に、既に雨の中を彷徨していたではないか。更に、それより前から、恐らく前兆はあった筈。家族はそれに気付かなかったか、或いは見て見ぬふりをしていたか。ましてや冷たくあしらわれていたとこぼす嫁・昭子にしてみれば、受け入れがたい事実だったに違いない。

茂造は昭子のみに心を開く。それは勿論、孫が言うような、食事を与えてくれる飼い主と言う意味では全く無い。

小説が書かれた1971年頃に84歳と言う事は、1887年位の生まれ。明治中期の生まれだ。それを考えたら、女性に優しい言葉などそうはかけないだろうし、茂造氏の性格から考えたら、不器用な言動しか出来なかったろう。昭子側から見れば昭子は被害者だが、それは茂造氏の見地に立って考えれば同じとも言える。昭子も、心の何処かで薄々気付いていたのではないか?だから、あのラストに繋がるのだ。

認知症への対応がまずいが為、どんどん認知症症状が悪化して行く。やってはならない対応のオンパレードだ。

この頃はまだ、アリセプト(1999年発売)もメマリー(2011年8月23日発売)も発売されていない。処方箋に書かれるのは睡眠薬だ。強制的に睡眠を促し、おとなしくさせる。だが薬に体が慣れ、効かなくなれば終わりだ。勿論、アリセプトやメマリーが良いとか、問題無いと言うわけではない。問題は当然ある。だが、ただ眠らせるよりは、進行遅延と言う意味で効果的だ。

介護に接する、携わる者は必ず観て欲しい。これは介護の教科書的意義も含んでいる、まさしく映画遺産である。
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