恍惚の人の作品情報・感想・評価

「恍惚の人」に投稿された感想・評価

ゆかし

ゆかしの感想・評価

3.4
つらい。ただひたすらつらい。
介護を家族だけで担う(この映画では共働きなのにほぼ全て昭子さん〈=当事者のおじいちゃんからすると息子の妻〉に押しつけていた感じだけど)のってやっぱり無理があるよな……

「おじいちゃん! おじいちゃん!! おじいちゃん!!!」が耳に残りすぎる
翔

翔の感想・評価

3.5
今の世の中でこそ『認知症』という名で認識されている症状が『老人性痴呆』または『ボケ』という言葉で通っていた時代。ケアワークが社会問題ではなく家単位での問題、または責任、または汚点として扱われていた時代。

とある家長が妻の死とほぼ同時に認知症になってしまう。家長は孫や娘息子のことを忘れ、息子の妻だけを信頼するようになる。我関せずの夫、薄情な義妹から全てを『任された』妻はみるみる認知症が進行していく義父の世話に追われることとなる。

時代の差か認識の差か、信じられないほどに理解が無い展開がどこまでも続く。確かにどこまでいっても創られた物語であるが、切り取られ強調されている分クリアにストレートに当時の認知症と環境が感じられる。

流石に酷く描かれ過ぎているのではと思うような人間模様もあるが、あり得ないと決して言い切れない。観るべき映画かは別として、知るべき問題。ケアは社会問題であり決して一人の問題ではない。
ボケ老人を描いた力作なのだが、森繁久彌と高峰秀子の迫真の演技がリアリティを生んでおり、観ているのが辛くなる映画だった。

しかし、この映画中に「おじいちゃん」という単語は何回発せられたのだろうか?
物凄い数である。

小鳥を見て涙する高峰秀子の表情が美しい。
yurry

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3.7
重いテーマの割りに結構笑えるシーンもあった。
けど、森繁の爺さんが庭先の花を見つめるシーンで号泣した。
お世話してた家族(特に高峰秀子)は本当に大変だったろうなぁ…
夫は無関心だったけど高校生の息子が付かず離れずいい感じで爺さん接しててホッとした。
あと、篠ひろ子が可愛かった
チェケ

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4.5
晩年にリアル恍惚の人と化した森繁だが60歳の時点でのこの演技は圧巻。悲壮感の中にユーモアがある。
森繁のボケ爺さんと志村けんがかぶってきた。
高峰と田村は二四の瞳がかぶる。
笑うけど笑えない。
汚い爺いでも可愛げと品があるのは映画の魅力。
臭い匂いがいい、じいちゃんがいるようで。
もしもしで終わる。
YumiHirose

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3.5
昔の映画だからこそ女性の視点からみると
介護は妻がやるものだってゆう押し付けを
すごく感じる。
逆に今はどうなんだろうって考えるきっかけになった。
LEONkei

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3.8
これは人間の物語のようで人間の物語ではない。

つまり生き物とはなんたるかを真正面から見つめ、他人事ではなく決して背けてはいけない物語である。

『あれは人間じゃないよ。動物だよ、動物。犬や猫とおんなじだよ。』

恍惚の人となった祖父を見て言い放った孫のさりげなく言った言葉が、強烈にココロに突き刺さる。

痴呆症がまだまだ世間には一般化されずタブー視されていた時代(1972年)に、老人の痴呆症を描いた有吉佐和子の長編小説を映画化した文学作品。

当時は賛否両論あった衝撃的小説も、大ベストセラーとなる。


人間は何故、老いるのか…何故、痴呆するのか…。

長年連れ添った妻を忘れ、息子を忘れ、徘徊したりご飯を食べては数分後には「お腹が空いた」と。

記憶をなくすだけならまだしも、むしろ子供に返ったかのような予測不能で理解できぬ行動。

感情を突如爆発させ、夜中だろうが人ごみだろうが関係ない。

痴呆になり我が儘放題な行動は〝赤ちゃんに戻った〟なんて言う人もいる。

しかし自分が思うに、それは少し違うんじゃないかと…。

人間以外の生き物(動物)は靴も履かなければ洋服など着ない…お腹が空けば食料を探して食べる…糞尿だってしたい時にする…眠たくなればいつでも何処でも寝る…どこか痛ければ場所など関係なく鳴き声をあげるだろう。

しがらみも無い、忖度もない、一目を気にする事もないし、オシャレもしない…そもそも言葉すらないのだから。


地球という惑星の中では、人間などちっぽけな存在でしかない。

あらゆる自然界の領域を人間のエゴによって犯し続けるのは、もはや人間自身では止められず自らが人間崩壊へ向かう宿命でしかない。

喜び・感動・悲しみ・怒り・恨み・憎しみ…そして愛する感情は、地球上で人間だけが持った美しい特権でもある。


しかし、もし人間が人間でなくなったなら…。

人間が本能で生きる本来の生き物の、真の姿になるとは一体どういうことか。

人間が人間から〝解放〟される最後のエゴが〝恍惚の人〟なのかもしれない..★,
nanamonta

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3.2
「おじいちゃん‼︎」言いまくり。観てるこっちが気狂うくらい「おじいちゃん‼︎」
そんなに何回も言わんでも…

森繁じいさんが認知症の役。
しかし私はあのおじいちゃんを受け入れられない…なんか最後美化されてる気がしたけど、やはり受け入れるの難しい。。

実の息子は役立たず。あーあ。
時間経過が早すぎて、状況認識までに追いついていけなかった。
1つ1つの知障行動に対して、時間経過が多大にあったっぽいが
最初は冬だったのに気付いたら夏だったりとか…
ぽんぽんと次から次へとシーンは移り変わっていき
さらにモノクロなのでとにかく時間経過が分かりづらい!!
よって超短期間で1の障害から10の障害まで発症した風な…

たぶん映画であっても尺的時間が足りないんだと思う
もっとじっくり作ったならば何かしらに共感しえたかもしれないが
共感するより何より先に終わってしまう、という感じ。
見ているこっちが置いていかれた感が存分に残る。
ゆえに最後に高峰秀子が、祖父が亡くなった際に
皆はやれやれと思っている中で、一人感慨深くなっている点など
どうもそこまで共感できないし
「いつのまにそこまで親身になってましたっけ?」ってなくらい
高峰秀子の介護に対する変化も全然見えてこないままだった。

しかし森繁久彌が素晴らしい。…と言っていいのか(^^;