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ザカリーに捧ぐのKSatのレビュー・感想・評価

ザカリーに捧ぐ(2008年製作の映画)
3.0
最初は内輪のノリで始まったものが、ザカリーへのビデオレターを経て、最終的に告発ドキュメントになっていくという、作品の製作目的が変貌してゆく様は、確かに凄い。「事実は小説より奇なり」を地で行くドキュメントだ。

しかしいくら被害者とはいえ、終始延々と繰り返される、人々の、いかにもアメリカ人らしい、アンドリューへの多大なる賞賛は、いくらなんでもしつこすぎて、もはや狂気すら感じる。
その度合いを弱めたところで、アンドリューと接したことのない我々観客に対してアンドリュー讚頌を延々やられても困るし、何より作者がアンドリューの友人である以上、どうしても客観的な視点を抜きにした私情ばかりが伝わって来てしまう。加害者側であるシャーリーの視点が皆無なのは、ドキュメンタリーとしてどうなの?
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