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恋のエチュード 完全版のKSatのネタバレレビュー・内容・結末

恋のエチュード 完全版(1971年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

「アメリカの夜」の劇中劇を撮影する場面で何回も流れる印象的なメロディが、実はこの映画のサントラだと知り、鑑賞。2人の美人なイギリス人姉妹の間で揺れ動く優柔不断なレオーの物語。

これだけ聞くとなんだかギャルゲーみたいだが、途中からレオーによって苦しめられる姉妹の視点にもシフトしていき、どんどん重くなっていく。というか、時代もあるんだろうけど、面倒くさすぎる。

でも、今の時代に観ると、これはミュリエルというキャラクターがレオーとの恋愛の呪縛から脱して主体性を獲得する噺として、前向きに見ることもできるかもしれない。もしもトリュフォーが今生きていたら、この映画についてどう語るのだろうか。

お目当てだったドルリューのサントラはやっぱり名曲だし、アルメンドロスの撮影も確かに素晴らしいが、全体的にちょっと文芸臭すぎて、、、

時折、ちょっと編集で遊んでいるところもあるけど(クライマックスのミュリエルと再会する室内の場面とか)、あの暗転繋ぎはくどすぎるよなあ、、、

てか設定が「突然炎のごとく」の真逆じゃん、主人公が出す本も「Jérôme et Julien」でこれまた「Jules et Jim」と同じイニシャルだし、と思ったら、原作者同じ人なのね。

イギリスの風景が綺麗だけど、なんだかモネが描いたノルマンディーの風景にも似てるなあ、まあ、おんなじドーヴァー海峡挟んでるから気候が似てるんだろうなあ、と思ったら、本当にノルマンディーロケだった。トリュフォーはイギリス行くのがイヤだったらしい。そこは頑張れよ、、、
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