真っ黒こげ太郎

食人村 カンニバルの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

食人村 カンニバル(1999年製作の映画)
1.7
叩けぇ~♪ 叩けぇ~♪ 叩けぇ~♪

ってやりすぎ!!



田舎町ボルゴ・サン・ロレンツォにやってきた若者グループ。
彼らはバカンスに向かう途中で車が故障し、この村に助けを求めにやってきたのだ。
町を散策する一行だったが何故か人っ子一人おらず、バラバラになった腐乱死体が散らばっていた。

逃げ出そうとする一行だったが、車が何処かに消え、仲間が次々と消えてゆく。
そして一晩過ごして(!?)翌日。
村から脱出しようとする一行の前に食人鬼のニコスが現れる!!!
この町の人々は、ニコスによって食い尽くされていたのだった!!!


さびれた村にやってきた若者達が食人鬼に襲われるグロ・スラッシャー・ホラー。
監督はジャーマン・スプラッターの鬼才であるアンドレアス・シュナースさん。
何でも今作、ジョー・ダマト監督の「猟奇!喰人鬼の島」のリメイクらしいのだがそちらは未見。まぁ、それはどうでもいいか。w


今作、内容は例によってありがちなスラッシャー系のお話。
エロエロしてるカップルが襲われたり、殺人鬼の過去が明らかになったり、生き残りが反撃したりとよくあるタイプのお話。
ラストシーンは意味不明だが、それ以外の内容はまぁよくある話です。

本作はあのシュナース監督作という事で、お得意の血みどろゴア描写は相変わらず気合入りまくり。
特に殺害シーンのやりすぎっぷりは凄まじく、他のホラー映画だったら間違いなく一発で死ぬ攻撃を連続で叩き込みまくる。
初っ端から「背中を斧でザクザク刺す→そのまま指チョンパ→顔面を剥ぎ取る→斧で顔面叩き割り」とやりすぎ攻撃の連続。
その後も「顔を水に入れ溺れさせる→石で顔面殴りまくる→腹を割いて内臓を引きずり出す」「片腕をねじ切る→口に手を入れて内臓を掴み出す」等のやりすぎ殺害描写のオンパレード。
食人鬼の殺し方はどれも情け容赦なく、首を捥ぎ取るわ妊婦の腹を割くわで残虐極まりない。
ハッキリ言って殺すシーンは人形使ってるのが丸わかりで、特殊メイクもチープ極まりないが、それでも結構なグロさ。
臓物関係もモリモリ出てくるので、グロさはかなりのモノ。
後食人鬼の映画という事で、「食人族」のパロディがあったのはGood。w


しかしそんなド派手なグロ描写に比べて、ストーリーのつまらない事。
75分と滅茶苦茶短い尺にも関わらず睡魔が襲ってくる緩慢っぷり、こういうのを「gdgd」と言うんだろうなぁ。w

初っ端から水着の男女が浜辺でセクロスをプレイする(意味深)というサービス精神に溢れたシーンで始まるのだが、いくら何でも女ブサイクすぎるだろ!!!
まちゃまちゃさんを5万億倍位汚くした女のサービスシーンが長々と展開され、見る気を削ぎまくる。
(幸い、事の終わりに食人鬼に襲われ、早々に退場してくれるが。良かった…。)

その後、若者が村に来て食人鬼に一人一人襲われ消されてゆくお馴染みの展開になるのだが、例によって不要なシーンのオンパレード。
死体が転がりまくってる村で一夜を明かす時点でもうアレな展開なのだが(さっさと逃げろよ)怪我人の一人が女子とセクロスをプレイしたり(意味深)して、緊張感の欠片もありゃしない。
そんで翌日になって他の犠牲者が出て、また慌てだすという無能っぷり。
一晩明かす暇があったら、村から逃げろや!!!!

その所為で食人鬼もクライマックスまで中々姿を見せず、見せたら見せたで割と長い時間かけて回想シーンを語ったりするので、流石に飽きてくる。
(殺人鬼の悲しい過去が明らかになるが、例によってどうでもいい。w)

展開もシュナース監督作比しては真面目過ぎて、何時もの突き抜けたバカっぷりを感じられず、ガッカリさせられた。
(まぁ、今作は元になった作品があるためしょうがないのかもしれないが。)


因みに今作はJVD配給という事で、吹き替えのアドリブが酷い!!wwwwwww
初っ端からロン毛男とブサイク女の吹き替えボイスにアドリブが入っているのだが、そのアドリブがオヤジギャグレベルでしょうもない!!!!
他にも襲われる男2人がオカマ化してたりと、完全にふざけている。
だが、後半になると真面目になって、悪ふざけな吹き替えが殆ど意味を成さなくなってしまった。
ついでに声優の演技力も見事なまでに大根だ。



という事でグロ方面はかなりの善戦を見せたが、内容がグッダグダ極まりない内容になったがためにかなりアレな出来になってしまった本作。
やっぱシュナース監督作品はもっとはっちゃけてなくちゃ。ゾンビやニンジャがわらわら出て空飛ぶギロチンがポンポン飛んでるやりたい放題な内容でなきゃな…。

例によってオススメはしませんが、シュナース監督の熱意ある手作り感満載のグロゲロ描写が拝みたい人はどーぞ。
責任は取れないし、貴重な時間を無駄にするかもしれんけどね。

さて、残るDVD化されているシュナース監督作は一つ!!
これでようやく終わりが見えてきたぜ。

ってことで続きます(笑)。もう少しお付き合いくださいませ。w