改名した三島こねこ

ミラージュの改名した三島こねこのレビュー・感想・評価

ミラージュ(2007年製作の映画)
3.5
「次からは笑われるような格好はやめて」

B級映画の安っぽさというのは正直マイナス点に数えられてしまう。画面は見にくい。セットはしょっぱい。しかしながら本作はそういったB級映画のデメリットをメリットに転換している。

本作の主人公であるミラージュマンはマーベルヒーローのような特別な存在ではない。弟のためにヒーロー活動を行う一小市民だ。
賞賛されれば嬉しくなってしまうし、批判されれば落ち込んだりもする。魅力的な話があればあっさり罠にかかりもするし、絶望的になればそこから逃げ出したくもなる。そんな小市民感が安っぽいセットによって醸し出されている。

また画質の悪さは暗所の子細をわかりにくくしているのだが、これがアクションシーンの緊張感をうまく演出している。影から敵やら暗器が飛び出してくるので、たまにある「なんでそれに気付かないんだよ!」というものを感じないのだ。災い転じて福となすとはこういったことか。

マルコ・サロールのアクションシーンはB級にするには惜しいクオリティ。お世辞抜きに最高の格闘シーンだ。カラテだけでなくパルクールなどの心得もありそう。彼の主演映画が他にも見たい。

偽ロビンは最前線に出るんじゃないよ!