TAK44マグナム

サーフ・アカデミー 恋のマヒマヒ・ダンシングのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.5
ゴーストガールと乳繰り合いたい!



田村英里子。
愛称、えりりん。

主に90年代に活躍したアイドルです。
当時のアイドル雑誌や番組を見るかぎり、ほんの短い間ではあるもののアイドル冬の時代に咲いた一輪の花というか、トップに立っていたといっても過言ではないでしょう。
歌もオリコンチャート入りし、演技の方面でもNHKが使うぐらいには達者で、「私が愛したウルトラセブン」ではアンヌ隊員役でした。
そんな彼女に、久しぶりにアイドルとして興味が抱け、熱狂的ではないにしろ普通に雑誌にグラビアが載れば買うぐらいには追いかけていた頃がありましてね。
写真集も買ったし、平たく言えばビジュアル的に好みだったんですよね。
ボディも当時のアイドル歌手の中ではずば抜けていたので、半乳や半ケツの写真が盛り込まれたカレンダーが激売れしたり、それで世間の認知度も急激に上がっていった記憶があります。
所詮はエロが大事なんですな!

「アイドル伝説えり子」などという、田村英里子とタイアップしたアニメも始まり、さすがはサンミュージック、大手のパワーを活用しての売り込み攻勢が激しくなっていった頃、事件がおきます。
なんと、地方営業の際に宿泊していたホテルの部屋に、鍵をもっていたホテルマンが侵入したのです。
何事も無かったようなのですが、アイドルにとってこの手の事件は致命的です。
なぜなら、どうしても邪推されてしまうから。

そんな事件が二度ほどあって(大手事務所にしては対応が悪すぎる)、ほどなくして彼女は念願だったというアメリカ留学に旅立ってしまったのでした。
実質、日本での活動は終了状態となり、しばらくの間、田村英里子という存在を忘れていたぐらいだったのですが・・・

何年かして、今度はアメリカから田村英里子に関するニュースが届くようになったではありませんか。
人気ドラマの「ヒーローズ」や、悪名たかき「ドラゴンボールエボリューション」に出演する国際派女優として、彼女は日本のマスメディアに凱旋帰国をはたしたのです。

もしかしたら何か大きな力が働いたのかもしれませんが、アメリカの映画界は完全なるオーディション絶対主義。
トム・クルーズだって落ちることがあるぐらい徹底しています。
そんな世界で役をもぎとるのがいかに大変なことか、想像に難くありません。


そこで、何作か海外映画に出演している田村英里子が、まだ英語力もままならないんだろうなぁ・・・(英語のセリフが極端に少ない)という頃に出た、おバカなコメディ映画をサラリとご紹介いたしましょう。


タイトルは「サーフアカデミー/恋のマヒマヒダンシング」と言いまして、原題は「サーフスクール」。
そのまんまですね。
そう、サーフィンを習いにゆくボンクラたちの愛(主にセックス)と友情を描いたコメディ映画です。
何かというとかかるテーマ曲が、「♪サーフスクー、サーフスクー♪」と煩いんですが、とにかくこの映画のBGMの使い方が殆どコントのよう。

そんなわけで、邦題からもうかがえるとおり、偏差値の低いギャグが満載で中身はペラッペラ、見事なボディの男子や女子がいちゃつくのを見るだけとなります。
だって、素人がたかが一週間(しかも実質的には多分3日間ぐらい)練習しただけで大会で優勝できるようになるってプロットからしておかしいですから。
サーフィンって、そんな簡単なのか?みんな天才なの??

でも、何度か笑っちゃったし、ビキニ女子はわんさか出てくるし、お猿さんは可愛いし、何も多くを望まなければそこそこ楽しめると思いますよ。
そこまでエロくはありませんがオッパイもちゃんと出るし!

サーフィンシーンは全てダブルの方が担当していますけれど(そのせいで、黒人キャラだけマトモなサーフシーンが無い。たぶん黒人のサーファーを雇わなかったんだろう)、そんなのはどうでもいいコメディなので問題なし。


ゴスっ娘が脱いだらすごかった!という定番の展開もあるんですが、このヒロインのボディが悪くはないけれど良くもないので、そこがちょいと気になりました。
やはり、この手の映画でそれをやるなら、ボッキュボーン!じゃないと物足りないでしょ。

あとね、ものすごく気になった点がもうひとつあって。
それは、主人公たち落ちこぼれチームがズルするんですよ。
相手チームに毛ジラミうつしたりとか(苦笑)
で、本来は悪役のはずの相手側が意外とスポーツマンらしく潔かったりして、なんだかそこだけが後味が悪かったです。
妨害工作をギャグにしたいんでしょうけれど、だったら相手をもっと悪者に描かないと、まるで主人公たちこそが意地の悪いヤツらに見えちゃいますよ。
まぁ、そこまで深く観るような映画ではないんですけれどね。

あ、そうそう、都市伝説的な存在として謎のゴーストガールってのが出てくるんですが、この人は神秘的な美人さんでした♪


・・・うん?何でしたっけ?
あ、そうそう!
えりりんですよ!田村英里子!
一体どんな役をやっているんだと思ってみてみると、日本人留学生のチカという役で、主人公たち落ちこぼれチームの一員でした。
日本人だからなのでしょう、ずっと着物姿で、まるで添え物のように皆んなの側にいるだけ。
でも、DVDのジャケットでは水着を着ていたので、そういう場面もあるのだろうと思っていたら・・・
なんとまぁ!
田村英里子だけ卒業旅行に行かないでやんの!
卒業旅行先でサーフィンを習って大会に出る映画なのに、もしかして序盤しか出番がない役だったのか??

それでも、思いのほかバカバカしくて楽しかったので続きを観ていて、そろそろ田村英里子のことを忘れかけていた頃でした。
黒人キャラが「俺が出たら勝てない」などと突然言いだしましてね。これが前フリで、唐突に「わたしが出まーす」と、田村英里子が走って登場するではありませんか!
ビーチに着物!
いつの間にコスタリカまで来たん?などと思っていると、「わたし、日本ではトップサーファーだったんですよ」なんて、これまた強引極まりない爆弾発言!
えりりん、トップサーファーの役だったのかよ!
他のメンバーたちは、こりゃ丁度良いぜと彼女を急遽出場させます。
おいおい、いきなりメンバーにいなかったのを出せるなんてテキトーなレギュレーションだな!
ガバッ!と着物を脱ぐと(本当にガバッと脱ぐ。どんな着物だ)、待望の水着姿に!
まぁ、まわりの金髪ネーチャンたちのダイナマイトボディと比べたら可哀想だけれども、これはこれで小ぶりながらも丁度良いジャパニーズボディ!
特にお尻のラインは外人さんたちに負けてませんよ!
すぐにラッシュガード着ちゃうのですが、合成映像のサーフィンやってます風演技も絶好調なえりりんでしたよ。

そんなわけで、意外な役どころで活躍、だけどセリフはまだまだ日本語ばかりであった田村英里子ですが、この後はドラマを中心に英語バリバリで活躍してゆくのですから凄いですよね。
吉田栄作なんかより、よっぽど成功じゃないですか。

では最後に、水着になった彼女を見て、敵側のボンクラたちの一言。
「美味そうなスシだな〜」
何十年経っても、日本と言えば寿司か忍者なんだよね〜(汗)


セルDVDにて