すずき

マカブル 永遠の血族のすずきのレビュー・感想・評価

マカブル 永遠の血族(2009年製作の映画)
3.9
ラディアは両親を事故で失い、その原因となった兄のアジとは気まずくなり疎遠だった。
だがある日、アジは出産間近の妻アストリッドと共に、海外に越す事が決まる。
ラディアはわだかまりを抱えながらも、アジの友人達と共に兄夫婦を見送る事に。
ラディアと兄夫婦、友人達合わせて6人は空港まで車を走らせるが、その途中、強盗に遭って立ち往生している女性マヤを助ける。
マヤの家は豪邸で、6人は彼女の母ダラからお礼にと、食事を振る舞ってもらう…。
…目覚めるとラディア達は地下室に縛られ、そして惨劇の夜が始まる…

インドネシアのスプラッターホラー。
先に言っておくと、この映画のストーリーに意外性は無い!
様々な名作スプラッター映画へのオマージュのような作品で、特に「悪魔のいけにえ」要素が強い。そういやそっちも知らない奴を車に乗せる所から始まる話だった。
殺人鬼を一度はブッ倒すけれど、トドメの爪が甘いせいで逆襲されるとか、この手のホラーあるある過ぎて懐かしさを感じる。
妊婦が酷い目に遭うのは、「屋敷女」っぽい。
そちらはこの映画の公開の2年前で、最新のネタも拾ったんだな。
でも目新しい要素が無いからといって、つまらない映画じゃなかったなぁ。むしろ面白い!

後半の血みどろバトルアクションもレベル高かった。
兄妹ツープラトンの首切断フェイタリティが最高でした。

本作の殺人鬼一家、特に母親ダラと次男?アダムのキャラクターがいいなぁ。
彼らは人間性のない表情で、瞬きすらしない。
三兄妹の中でアダムが最高傑作なのかな。戦闘力も随一だし。
長男?のデブは出来が悪そう。
しかし彼らが何者だったのか、劇中ハッキリとは断言されない。
その能力は人間は既に超えてるっぽいけど、彼らは吸血鬼なのか?それとも悪魔との契約?魔術?
ちょっとだけ描かれた臓器売買描写から、医学的な処置を施された改造人間の線もあるぞ。
ホラー映画ありがちの、続編がありそうなラストだったけど、彼らの正体はフワッとした謎のままでいた方が良さそうね。