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ハロウィン IIIのいかのレビュー・感想・評価

ハロウィン III(1982年製作の映画)
5.0
全体的なスコアが低すぎるので底上げするためにもレビューします。
以下、レビューというかほとんどが個人的な思い入れの作文です。
すみません。

私が初めて見たハロウィンシリーズはこの3です。
なので、正直ブギーマンが主人公な正史の方は正直違和感を感じます(笑)

内容は皆さん書かれている通り、この作品はカーペンターが「ブギーマンありきのハロウィンでは客に飽きられる」と危惧し、あえてブギーマンというホラーアイコンという存在を無くした、いわば番外編ハロウィンです。

この作品、確かにわかりやすい「絶対悪」が存在せず、テンポも少したるいかもしれません。話も医者が探偵ごっこして犯人を突き止めて阻止する・・という物です。

じゃあこの作品の何がいいというのか・・といえば、「テレビで人の心を洗脳する」という所をホラーという視点で描いているところです。(今であればインターネットでしょうか)

劇中内に出てくる謎の気味の悪いCM、子供は何の疑いも持たずこぞってCMに出てくる被り物を買い、ハロウィンになったときに被って町をジャックする。大人も子供のその微笑ましい姿を見て満足する。
何の疑いも持たずに。

その「疑い」を持たない心理にフォーカスを当て、邪教集団は「全ての事項を素直に受け入れるロボットのような人間」、つまり「洗脳された人間」の生成にメディアを利用しているのです。

ラストについては描きませんが、あまり良い終わり方をしていません。
主人公はテレビを観て相変わらず洗脳のCMが流れ悲痛な声で「STOP IT」とひたすら叫びますが、洗脳の電波はとまりません。そこで終わります。言ってしまえば「ブツ切れ」です。

しかし、これは映画に留まらない現実に続く恐怖を旨く描いたのだと思います。そして、この映画は「メディアによる洗脳何の疑いも考えも持たなくなる事への恐怖を描いている」と勝手に解釈しています。

この作品の後、カーペンターは「ゼイリブ」を世に出してます。この作品も観た人は分かってますが、ハッキリ言って結構似通ってます。

興行的にはヒットしなかった作品ですが、未見の方には是非観て欲しいです。DVDは廃盤でプレミア値ついてますが、AmazonPrimeで観られるらしいので興味あるかたは是非。
(Amazon Primeで配信されているのを初めて知りました(笑))

※私はVHSで視聴しました
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