たーぼーん

怒りの日のたーぼーんのレビュー・感想・評価

怒りの日(1943年製作の映画)
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恐ろしい映画である。
魔女裁判という人類が過去に犯した愚かで残酷な過ちをヒントに、ときに卑怯になりときに深い苦しみを味わう個人の内面をあぶり出す様な作品だ。
魔女と疑われる人物は3人、それぞれが本当に魔女なのか魔女ではないのに疑われてるだけなのかというのがはっきり確認出来る様に表現されている訳ではないので、受け入れ様によっては無駄に複雑性が増して、混迷とともに恐怖が増す。
終盤弱った身内に面と向かってあの様な風に言う事の恐ろしさにとりあえず震えるが、悪女扱いしたところで「じゃあ、あの人はどうすれば良かったの、どう生きれば良かったの」と問われると答える事が出来ない。
僕達は口を開けたまま、母に食わせてもらうのを待つだけの存在ではないはずなのに。