1943年作品ながら、近年に作られている作品のようでもあった。
理屈に合わないことはぜんぶ「主のみが救ってくれる」「神の栄光のため」「罪を償うため」で終了、な世界。。
魔女狩りの不合理性や、盲信的な神への信仰の馬鹿馬鹿しさが描写される。
序盤、老婆が「死ぬのが怖い」と魔女狩りに抵抗するシーケンスが見もの。周囲の男たちの様子も含め、「最後の決闘裁判」なんかを想起。
中盤以降は嫁姑問題。
実夫が妻の「純真無垢なとこ」が好きと言い、息子が「ミステリアスなとこ」が好きと言うのが面白い。
夫の回答を相対化して描いていることにしても、作者は、女性をちゃんと自立した人として見る眼差しがあったんだと思う。