えにし

怒りの日のえにしのレビュー・感想・評価

怒りの日(1943年製作の映画)
3.7
魔女裁判の話。科学が発達した社会に生きるわたしたちからみれば、宗教がものごとの真偽を判断する絶対的な基準となっている点にギャップを感じずにはいられないだろうと思う。「この女は魔術で夫を殺したのだ!」と何の証拠もない発言が教父たちに受け入れられてしまうことが「理不尽」ではなかった時代。『裁かるゝジャンヌ』が徹底的に画面に"白"を湛えていたのに対し、こちらは"影"たる"黒"が画面を支配する。特にそれまで親密であった主人公アンネと義理の息子マーチンの間に、夫/父の死を受けて確執の萌芽が生まれるシーン。ふたりのシルエットが草むらの中で蠢くさまは、"映画的"としか言いようがなかった。
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