原題「Bastille Day」 はフランスの建国記念日。
その前夜に置き引きしたバッグが爆発したことで犯人として追われるスリのアメリカ青年と、強面のCIAの捜査官がパリの街に暗躍する巨大な悪に立ち向かう。
オープニングから話はトントンと進み画面は面白い。
CIA捜査官役のイドリス・エルバは一匹狼的で無表情、その男が1度だけチラリと笑うシーンはなかなか良い。
天才スリのアメリカ青年はリチャード・マッデン。
「シンデレラ」の王子役だったが個人的にはパトリス・ルコントの「暮れ逢い」の内気な秘書のイメージが強くて、今作ではガラリと雰囲気が変わってアクション頑張ってます。
テロの鎮圧を任務とする特捜部の幹部にはジョゼ・ガルシア。
先日見た「ボンボヤージュ」では暴走するAI搭載車に手を焼いてました(笑)
ストーリー展開はよくある話、だけどフランスの移民問題、極右と極左の衝突、SNSで流されるフェイクニュース、そのフェイクニュースに愛国心を利用されてしまう一般市民など、現実的な社会問題も提起されていてピリッとスパイスも効いてます。
主役のバディ2人が英国俳優ということもあり殆どの会話が英語なので余りフランスっぽさは感じられないのだけど、CIAの幹部をフランスの政府高官が躊躇無く撃ち殺す時は「お〜ッ」となり、一番フランスらしさを感じたシーンでもある。
エンディングの歌声もイドリス・エルバだそうで、中々のセンスだと思う。